動物の模様の不思議

動物の模様の不思議
今回は動物の模様についてです。キリンやパンダはなぜあの模様なのか、考えたことはありますか?
まず、入試問題です。

問題に挑戦!

問題
キリンの模様、パンダの模様を描きなさい。
(慶應義塾普通部 2018年)
パンダは、なんとなく思い浮かぶかもしれませんが、キリンは難しいですかね…
正解は、キリンは網目模様。パンダは耳と目の周り、そして鼻が黒くなっています。

パンダやキリンの模様の意味

動物たちの模様には、ちゃんとした意味があるんです。
動物学者の今泉忠明さんに話を聞きました。
今泉さん
「パンダの白黒模様の理由は、いくつか説があります。いちばんよく知られているのは『分断色』。あの模様によって体が分かれる。そうすると個体のシルエットが消える。例えば森の中を歩くとか、そうなると白と黒なので、黒いところと木の陰が重なれば姿が見えにくくなる。白いのは雪のところとか、そういうところで役に立つ。目だけが動いていたり、肩だけ動いていたりパンダの形ではなくなってしまう。それで目立たなくなるという働きですね」
私たちからすると、目立つように感じる白黒模様ですが、山の奥や竹林にいると、景色になじみ、天敵から身を隠す効果があるそうです。

さらに今泉さんによると、多くの「ほ乳類」は、色の識別をあまりできていないため、より背景に溶け込みやすくなるといいます。
今泉さん
「派手に見えるのは人間だけで、ほかの動物から見ると、なんて地味なやつなんだと思っているかもしれないです」
キリンの網目模様も、カムフラージュの効果があるのでしょうか?
今泉さん
「アフリカのサバンナは、ところどころ木が生えている。キリンはそういったところで休む。突っ立っていると、あの大きいキリンが全く見えなくなる。木と同じ」
今泉さん
「それと木漏れ日があるから、全く目立たない。太陽の光が、葉っぱの間から網目状に照らしているわけですね。それがあるから、景色にしっかり溶け込んじゃうんですね」

捕食者も目立てない

自然に溶け込むための色や模様。
これはライオンなどの捕食者にもあてはまります。目立つと獲物に逃げられてしまうからです。
今泉さん
「動物は種類によって、ほとんど同じ模様をしています。シマウマはシマウマ。ライオンはあの感じ。あれはその地域で生きやすい色なんです。生き残りにくい個体は自然がとう汰するので、その遺伝子は消えてしまう」
ここで疑問が。

例えば、パンダどうしとか、仲間どうしは、互いをちゃんと見つけられるのでしょうか?
今泉さん
「赤ちゃんのときから、お母さんの色の配列を見ています。だから記憶しているわけです。その配列があるものがこっちへ来れば、仲間が来たなと。繁殖期などは、仲間に目立たないといけない。だから大変。敵から目立ってはいけないけど、仲間には目立たないと置いてきぼりを食う。だから悩ましいところでしょうね」

人間と動物の模様の意外な関わり

一方で今泉さんは、人間と動物の模様の関わりについて、こんなことも教えてくれました。
今泉さん
「自然が選ぶと、いまの模様。ところが人間のもとで飼われるようになると、どんな色模様もOKなんです。虎でも白虎というのがいる。白虎は、人間が飼ったが故に出てきたものなんです。これは目立ちすぎて野生ではいないけれど、人間に飼われると大丈夫。それは獲物をもらえるから」
私たちに身近な「あの動物」も、人間がペットとして飼っていくなかで、さまざまな模様になっていったのだといいます。
今泉さん
「猫はもともとトラ猫。トラ模様。『キジトラ』と言うんですよ。そういう模様。もともと猫は1種類。猫は人間のところに来たんですね。人間の周りにネズミが多かったから、猫のほうから来た。こんな家畜は珍しいんです。そしたら人間は大事にするようになった。それが白くなったり、三毛になったりしてきた。犬もそう。ダルメシアンも、たぶん、点々はしま模様が切れただけなんです。しま柄っぽいのが犬に出てきて、それが途切れたんでしょうね。人間の手がかかったが故に生まれてきたんですね」
今泉さんによると、野生の動物の模様は自然が決めているということなんですが、各大陸の頂点に立つ捕食者が決めているような面もあるのだそうです。
例えば、南アメリカでは捕食者のジャガーにとって見えにくい色や模様の動物が生き残りやすい。アジアで言えばトラにとって見えにくいもの。アフリカではライオンが見えにくいもの。
生態系のピラミッドの上に立つ存在が決めているということなんですね。

聞けば聞くほど興味深い、動物の模様の不思議でした。
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