能登地方の地震 依然活発 「活動続くおそれ 備えを」気象庁

石川県の能登地方では、ことし9月に震度5弱の揺れを観測する地震が起きましたが、その後もやや西側の地域で活発な地震活動が続いています。気象庁は「今後も活動が続くおそれがあり家具の固定など強い揺れへの備えを進めてほしい」と呼びかけています。

石川県能登地方では去年12月以降、地震活動が活発化していて、ことし9月にはマグニチュード5.1の地震が起き能登半島の先端にある珠洲市で震度5弱の揺れを観測しました。

気象庁によりますと、この地震以降も能登半島の地震活動は活発で、震度1以上の地震は先月が13回で、このうち震度3の揺れが3回あったほか、今月も8日までに7回起きています。

体に感じないような小さな揺れも含めたマグニチュード1以上の地震は、珠洲市とその周辺で7月は325回、8月は545回、9月は640回、10月は716回と増加傾向にあり去年12月から8日までに3200回を超えているということです。

地震の発生している範囲は主に4つの領域に分けられ、震度5弱を観測した地震のやや西側にあたる地域で特に活動が活発だとしています。

また、国土地理院がGPSの地殻変動のデータを先月と去年11月とで比較した結果、隆起量が2.6センチほどにのぼるということですが、気象庁は隆起と地震とがどう関係しているかなど、詳しいことはまだわかっていないとしています。
気象庁が地震活動を解説する定例の会見で、宮岡一樹地震情報企画官は「現在も地震活動が活発で、今後も活動が続くおそれがある。家具の固定をはじめ、倒れやすいものや高いところに置いたものを取り除くなど、強い揺れへの備えを進めてほしい」と呼びかけています。

専門家「これほどの隆起珍しい 強い揺れに備えを」

能登半島の地震活動について現地の地殻変動を観測している専門家は、地面の突発的ともいえる隆起が現在の活動につながっていると分析したうえで、火山のない地域でこれほどの隆起は非常に珍しく、今後も9月と同程度か、より強い揺れに備えてほしいと呼びかけています。

地殻変動が専門で京都大学防災研究所の西村卓也 准教授は、ことし9月から能登半島に臨時の観測点を設置し分析を続けています。

去年12月ごろから能登半島の先端で地面がおよそ3センチ隆起していることについて「地下で何か膨らんだため、活発な地震活動につながっている。夏以降、広範囲の変化はやや鈍化しているように見えるが、震源付近に設置した臨時の観測点では依然として変動が活発だ。震度5弱と同程度やもう少し大きな地震も起こる可能性がある」と指摘しました。

そのうえで「どんと突き上げるような揺れが相次ぎ、不安を感じている人も多いと思う。家具の固定など強い揺れが起きてもケガをしないように備えてほしい」と呼びかけています。

また、地殻変動については「能登半島のように周囲に火山がない場所でこれだけの変化が観測されるのは非常に珍しく、少なくとも衛星による観測網が国内に広く整備されたこの20年ではほぼなかったことではないか」と話しています。

隆起の要因については地下15キロほどに大量の“流体”が入り込んでいる可能性があるとしたうえで「深さからみて海水や雨水とは考えにくくはるか昔に沈み込んだプレートの岩石から分離して上昇したものの可能性がある。ただ、非常に珍しい現象のため解明には今後の研究が必要だ」と話しています。