宇宙飛行士 星出彰彦さんが地球に帰還 半年余滞在 船長務める

国際宇宙ステーションに長期滞在していた日本人宇宙飛行士の星出彰彦さんら4人の飛行士は、宇宙船に乗って日本時間の9日午後0時半すぎにアメリカ・フロリダ州の沖合に着水し、およそ半年ぶりに地球に帰還しました。

国際宇宙ステーションにことし4月から滞在している日本人宇宙飛行士の星出彰彦さんら4人の飛行士は、打ち上げの時に乗ってきたクルードラゴンの2号機に再び乗り込んで、日本時間の9日午前4時すぎに宇宙ステーションを離れました。

そして、クルードラゴンとしては初めて、およそ200メートルの距離で国際宇宙ステーションを1周し、ステーションの詳細な写真の撮影を行いました。
その後、大気圏に突入し、パラシュートを開いて日本時間の午後0時33分にアメリカ・フロリダ州の沖合に着水し、およそ半年ぶりに地球に帰還しました。

宇宙船は近くで待機していた専用の船に回収されてハッチが開けられ、星出さんは作業員の手を借りながら宇宙船から出て、笑顔を見せていました。
星出さんにとって3回目となる今回の宇宙飛行は、滞在時間が半年余りの199日17時間44分で、通算では340日11時間13分になったほか、日本人としては2人目となる国際宇宙ステーションの船長を務めました。

日本人2人 同時に宇宙ステーションに滞在

星出さんはことし4月23日、民間の宇宙船で飛び立ち、翌4月24日、国際宇宙ステーションに到着。
先に滞在していた野口聡一さんの出迎えを受けました。

日本人2人が同時に宇宙ステーションに滞在するのは、2010年の野口さんと山崎直子さん以来、11年ぶりでした。

ミッション1. さまざまな科学実験

長期滞在の期間中、星出さんは日本の実験棟「きぼう」で科学実験など8つのミッションを行いました。

▽無重力状態の中でヒトの細胞などを培養することで宇宙で筋力が低下するメカニズムを調べたり
▽宇宙で高品質のタンパク質の結晶をつくるための機器の試験を行ったりするなどしました。

また
▽インド洋にある島国、モーリシャスの小型衛星を宇宙空間に放出しました。

ミッション2. 4回目の船外活動

9月には、星出さんにとって4回目となる船外活動をフランス人の飛行士と2人で実施しました。

これに要した時間はおよそ7時間で、船外活動の通算時間は28時間17分と日本人で最も長くなりました。

“宇宙旅行時代の幕開け”

星出さんが宇宙に滞在した期間は“宇宙旅行時代の幕開け”とも呼べるこれまでにない時期でした。

▽9月、民間の男女4人が「クルードラゴン」に乗って地球を周回するおよそ3日間の宇宙旅行を行ったほか
▽先月はロシアの民間人2人が宇宙船「ソユーズ」に乗って宇宙ステーションを訪れ、映画の撮影をしました。
このほか
▽7月にはIT大手アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏がみずから設立した宇宙開発企業の宇宙船に搭乗し、宇宙への飛行に成功しました。

こうした状況について、星出さんは先月28日、国際宇宙ステーションを離れるのを前に行った記者会見で次のように話しました。

「民間の宇宙進出の時代がきているのを身にしみて感じた。すごく歓迎すべきことであり、多くの方に宇宙を体験してアイデアを出してもらい新しい文化をつくってもらいたい」

末松文部科学相「無事の帰還 心から喜ばしい」

末松文部科学大臣は「大任を終えての無事の帰還を心から喜ばしく思う。星出宇宙飛行士には、国際宇宙ステーション滞在中にさまざまなミッションに挑戦していただいたが、引き続き、その意義が国民や世界にしっかり見えるような形での発信や、わが国の宇宙開発の未来につながるような活躍を期待する」という談話を発表しました。