銀行と信金の融資残高 2か月連続増加 中小企業向け 高水準続く

銀行と信用金庫の先月の融資残高は577兆円余りと2か月連続で増加しました。中小企業向けの貸し出しが多い地方銀行で残高が増えたためで、依然として高い水準が続いています。

日銀が発表した「貸出・預金動向」によりますと、全国の銀行と信用金庫が企業や個人に融資した残高は、先月1か月間の平均で577兆8579億円となり、2か月連続で前の月より増加しました。

このうち都市銀行では堅調な業績の大企業を中心に借り入れを返済する動きが進んでいることから、残高が前の年の同じ月より0.6%減少しました。

その一方で、中小企業向けの貸し出しが多い地方銀行では、残高が前の年の同じ月より2.1%増加していて、新型コロナウイルスの感染状況はいったん落ち着いているものの、中小企業向けの融資残高は高い水準が続いています。

日銀は「中小企業の資金繰りは全体として落ち着いてきているが、経済活動の回復は業種によって差が出ていて、今後の回復の進展を注意して見ていく」と話しています。

一方、企業や個人による預金は先月1か月間の平均で830兆628億円と2か月連続で増加し、日銀では緊急事態宣言の解除などを受けて今後、消費に回るかどうか見ていく必要があるとしています。