大谷 大リーグMVP最終候補に 受賞すれば日本選手では2人目

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が、今シーズン最も活躍した選手に贈られるMVP=最優秀選手の最終候補に選ばれました。大谷選手は、二刀流での大活躍で大リーグでイチローさん以来となるMVP受賞が有力視されています。

大リーグのMVPはレギュラーシーズンに最も活躍した選手に贈られ、全米野球記者協会に所属する記者30人の投票によって選ばれます。

投票はすでに終わっていて、8日、両リーグの上位3人が最終候補として発表され、アメリカンリーグはエンジェルスの大谷選手のほか、ホームラン王を獲得したブルージェイズのゲレーロ Jr.選手と、同じくブルージェイズでホームラン45本を打ったシミエン選手が選ばれました。

大谷選手は、大リーグ4年目の今シーズン、ピッチャーとして9勝、156奪三振、バッターとしてホームラン46本、100打点、26盗塁で、史上6人目の「ホームラン45本、25盗塁」を達成するなど投打ともに自己最高の成績をマークし、7月のオールスターゲームでは史上初めて投打の同時出場を果たしました。

歴史的な二刀流の活躍がたたえられ、大リーグでは7年ぶりとなるコミッショナー特別表彰や、選手間投票での年間最優秀選手に選ばれていて、シーズンMVPも大谷選手の受賞が有力と見られています。

ことしの受賞者は18日(日本時間19日)に発表され、大谷選手が受賞すれば日本選手では2001年のイチローさん以来20年ぶり2人目となります。

この日は年間最優秀投手に贈られるサイ・ヤング賞の最終候補も発表されましたが、大谷選手はこちらでは最終候補の3人には入りませんでした。

最終候補に選ばれた3人の成績は

今回アメリカンリーグのMVP最終候補に選ばれた3人の成績を比べてみます。

大谷選手はピッチャーとして9勝2敗、防御率3.18、156奪三振、バッターとして打率2割5分7厘、ホームランはリーグ3位の46本、100打点、リーグ5位の26盗塁をマークしました。

タイトルはありませんが、ヒット、打点、得点、投球回、奪三振の5部門で100の大台に到達した史上初めての選手となるなど、投打の二刀流で大リーグを席けんしました。

一方、ブルージェイズのゲレーロ Jr.選手は大谷選手を2本上回るホームラン48本を打って、ロイヤルズのペレス選手とともにアメリカンリーグのホームラン王を獲得し、打率はリーグ3位の3割1分1厘、打点もリーグ5位の111打点と三冠王に迫る活躍を見せました。

また、同じくブルージェイズのシミエン選手はホームラン45本をマークし、セカンドの選手のシーズン最多ホームラン記録を更新しました。

打率は2割6分5厘ですが102打点と勝負強く、15盗塁をマークしてゴールドグラブ賞も初めて受賞するなど、攻守にわたるチームへの貢献度が高く評価されたと見られます。

3人の成績はいずれもすばらしいものですが、大谷選手は「MVPレースの前哨戦」とも言われ選手会の投票で両リーグを通じて1人を選ぶ年間最優秀選手をすでに受賞しています。

過去10年の年間最優秀選手のうち8人がMVPも合わせて受賞していて、ことしは二刀流で大リーグの歴史を塗り替え続けた大谷選手が、MVPの最有力候補と言われています。

最終候補3人を発表したテレビ番組の中でも出演者から「普通のシーズンならゲレーロ Jr.も十分MVPに値するが、大谷の活躍はもっとすごかった」などと大谷選手を推す声が聞かれ、2015年のハーパー選手以来となる全員が1位票を入れる「満票」での受賞がなるかの関心も高まっています。

MVPとは

大リーグのMVPは、レギュラーシーズンに両リーグで最も活躍した選手にそれぞれ贈られる賞で、全米野球記者協会に所属する記者30人の投票によって選ばれます。

大リーグ機構は1931年からMVPを公式記録として認定していますが、前身の表彰は1911年に始まっていて、大リーグで最も歴史のある個人タイトルとも言われます。

1956年に最優秀投手賞にあたるサイ・ヤング賞の表彰が始まってからはMVPは主に野手が受賞するようになり、ピッチャーのMVP受賞は近年では2014年に21勝をあげ防御率1.77をマークした、ドジャースのカーショー投手など傑出した成績を残した場合に限られています。

投票するのは球団がある両リーグそれぞれ15の都市の記者2人ずつで、投票はレギュラーシーズン終了直後に締め切られるためプレーオフの成績は考慮されません。

投票ではMVPにふさわしい選手として上位10人を記入し、1位に14ポイント、2位に9ポイントが与えられ、3位以下は1ポイントずつ減って10位が1ポイントとなっています。

最も多いポイントを得た選手がMVPに選出され、どの記者が誰に投票したか内訳もすべて公表されます。

最多受賞は通算ホームラン762本の大リーグ記録を持つバリー・ボンズさんの7回で、次いでヤンキースで活躍したジョー・ディマジオやミッキー・マントル、大谷選手のチームメートのエンジェルスのトラウト選手など10人が3回受賞しています。

日本選手ではただ1人、イチローさんが、大リーグ1年目の2001年にマリナーズで首位打者や盗塁王を獲得して新人王とともにMVPを受賞しています。

新庄監督「バリー・ボンズの記録を抜いてほしい」

現役時代は大リーグでもプレーした日本ハムの新庄剛志監督はMVPの最終候補に選ばれたエンジェルスの大谷翔平選手について、「ホームラン王争いをする場所に、日本人がいることがありえない。僕も経験しているが、大リーグのボールはひとまわり大きくて飛ばない。それを軽々とホームランにもっていくというのは、地道な努力であれだけの体を作ったからで、いま答えが出始めている」と話しました。

そのうえで「僕の頭の中では、来年は投げるほうも、打つほうももっとさらに高いレベルでギャフンと言わせるような活躍をすると思う。ことしのような気持ちで、またさらに努力をして、気がついたら、ホームラン74本を打って、昔一緒にプレーしたバリー・ボンズの記録(73本)を抜いてほしい」と大きな期待を寄せました。

その一方で「一緒にプレーしたことがないから、大谷選手がすごかったかどうかを人に聞くと、『けたが違う』『今まで見たことがない』という人ばかり。人間的にも、性格も考え方もすべてパーフェクトと言っていたので、かわいさはないね。ちょっとくらい、ダメなところがあってくれたほうがいい」と冗談交じりに話しました。