ロシア 経済活動の大幅制限を解除 “感染収まらず”懸念の声も

ロシアでは、新型コロナウイルスの感染拡大を抑えようと全土で行われた経済活動の大幅な制限の期間が終了しました。感染者数が最も多い首都モスクワでも、市長が「状況は安定している」として経済活動を再開させましたが、専門家の間ではさらなる感染拡大につながるおそれがあると懸念する声も上がっています。

ロシアでは、全土で10月末から9日間を企業などの休業日とし、生活必需品を扱う店以外の営業を停止するなど経済活動が大幅に制限されてきましたが、7日、制限の期間が終了しました。

感染者数が最も多い首都モスクワでも、ソビャーニン市長が「状況は安定している」として、イベント参加者や劇場の入場者にワクチンの接種証明の提示を義務づけることなどを除き、ほとんどの制限を8日から解除しました。

ただ、全国の新規感染者数は政府の発表で連日およそ4万人に上り、死者数も9日には初めて1200人を超えていて、シベリアなどの一部の州では感染拡大が収まっていないとして、さらに1週間程度、強い制限措置が延長されました。

ロシアでは、ワクチンの接種率が34%にとどまっていて、公共交通機関などでマスクをつけていない人も多く、専門家の間では、経済活動の再開がさらなる感染拡大につながるおそれがあると懸念する声も上がっています。