米「ワクチン接種義務は憲法違反」半数超の州が提訴

アメリカのバイデン政権が従業員100人以上の企業を対象に新型コロナウイルスのワクチン接種を来年1月から義務化するのは憲法に違反するとして、全米の半数を超える州が差し止めなどを求める訴えを相次いで起こしました。

アメリカのバイデン政権は、従業員が100人以上の企業を対象に、従業員のワクチン接種か少なくとも週に1回の検査を来年1月から義務化します。

これについて、野党・共和党が知事や司法長官を務める南部テキサス州やフロリダ州など少なくとも26の州が「憲法で保障された個人の自由を侵害している」などとして、連邦裁判所に差し止めなどを求める訴えを5日までに相次いで起こしました。

このうち、テキサス州の司法長官は「民間企業に対するワクチン接種の義務化は政府による権力の乱用だ」とする声明を出しました。

今回訴えを起こした州は、全米50州の半数以上にあたり、来年の中間選挙に向けて政治的な対立が一層深刻化することも予想されます。

副報道官「政府には権限がある 国民の命救うことに注力」

これについて、ホワイトハウスのジャンピエール副報道官は記者会見で「政府には労働者の健康と安全を守るための対策を実行する権限がある。われわれは世界的な感染拡大から抜け出し、国民の命を救うことに力を注いでいる」と述べ、ワクチン接種の義務化は問題ないという考えを強調しました。