原油高に不安 “観光回復の兆しも…”“値上げ通達受けた”

OPEC=石油輸出国機構とロシアなどの主な産油国が追加の増産を見送り、原油価格の高値傾向が続くことが見込まれることについて、観光バスを運行する広島市の会社は、観光需要の回復の兆しが見え始めた中での燃料費の高騰に不安を抱えています。

広島市東区にある「つばめ交通」は17台の観光バスを運行していて、緊急事態宣言が解除された先月以降、観光バスの予約が増えているということです。

これまで大きく落ち込んでいた売り上げも、観光バスは先月、その前の月と比べると、およそ2倍になっていて少しずつ回復し始めています。
しかしバスの燃料となる軽油の価格は、この1年間でおよそ3割ほど値上がりしたということで経営に大きな影響を及ぼしています。

つばめ交通の統括管理本部企画室の山内康平室長は「新型コロナウイルスの感染者が減少し緊急事態宣言が解除されて、ようやく観光バスの稼働が戻ってきた中での燃料費の高騰は非常に厳しい。なんとか原油価格の安定をお願いしたい」と話していました。

クリーニング店「高騰続けば 値上げ避けられない」

広島市のクリーニング店からは「このまま原油価格の高騰が続けば、クリーニング代の値上げは避けられない」といった声があがっています。

広島市安佐南区にあるクリーニング店では、乾燥機やアイロンを動かすために灯油を使っているほか、洗濯で使う溶剤や衣類を包む包装、プラスチック製のハンガーなど多くの石油製品を使っています。
しかし、原油価格の高騰によって10月の灯油価格は9月と比べると15%ほど値上がりしたということです。
また仕入れ先からは溶剤やハンガーなどの石油製品を11月下旬以降、最大2割値上げするという通達を受けたということです。
このまま原油価格の高騰が続けば、経営は一段と厳しくなり、クリーニング価格の値上げを検討せざるをえないとしています。

クリーニング店の山沢祐二店長は「灯油は代用ができないので値上がりのダメージは大きく、そのまま経営に響きます。今は秋の衣がえシーズンでセールを行っている中で利益が圧迫されて厳しいです」と話していました