漂着の軽石 環境汚染対策に活用へ 研究グループが新技術開発

海岸や港への漂着が問題になっている軽石。鹿児島県などの研究グループは、軽石の表面に「ゼオライト」と呼ばれる結晶をつくる技術を開発し、放射性物質の吸着など環境汚染対策に活用できるのではないかと期待しています。

新たな技術開発を行ったのは鹿児島県工業技術センターや神奈川県立産業技術総合研究所の研究員らでつくるグループです。
研究グループは去年4月から共同研究を始め、軽石を水酸化ナトリウムを溶かした100度以下の水に入れて加熱することで、軽石の表面に「ゼオライト」と呼ばれる結晶をつくることに成功しました。

研究グループによりますと、ゼオライトには髪の毛の20万分の1ほどの極めて小さな穴が多くあり、分子サイズの物質も吸着できる特徴があるということです。
このため軽石の表面をゼオライト化させて水に浮かべることで、水質の浄化や放射性物質の吸着など環境汚染対策に活用できるのではないかと期待しています。

鹿児島県や沖縄県に大量に流れ着いている軽石の表面にもつくることができるということで、研究グループは今後、企業への技術移転を進め実用化につなげたい考えです。
鹿児島県工業技術センターシラス研究開発室の袖山研一室長は「高性能な吸着剤に生まれ変わらせることができる技術であり、応用が期待できます」と話していました。