COP26 日本パビリオンは“対面+バーチャル”で最新技術PR

イギリスで開かれている国連の気候変動対策の会議「COP26」では、各国の取り組みを紹介するパビリオンが会場に設けられています。日本のパビリオンでは、バーチャル空間を生かした初めての企画も始まり、ベンチャー企業などが現地に行かずに、脱炭素の実現に向けた最新の技術をPRしています。

COPの会場では、毎回、各国の政府や国際機関などがパビリオンを設けていて、COP26では合わせて100近くのブースで気候変動対策の最新の取り組みの紹介やセミナーなどが行われています。

今回の日本のパビリオンには大手機械メーカーなど12の企業などが出展し、各国の企業関係者や研究者などが訪れて、脱炭素の実現に向けた先端技術のPRや情報交換の場となっています。

一方、今回のCOPで日本政府は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、オンライン上の「バーチャルパビリオン」を初めて設けました。
現地の会場の入り口にQRコードを掲示してアクセスを呼びかけているほか、特設のサイトで登録すれば世界中の人が訪問できる仕組みになっています。

利用する人は、自分のアイコンを操作してバーチャル空間に設けられたブースを回り、企業のプレゼンテーションを見たり、担当者とオンラインで話したりすることができます。

出展する法人にとっては、移動などのコストを抑えて海外との商談を狙えるメリットがあり、環境省が選定したおよそ30のベンチャー企業などが参加しています。

海外の企業と契約交渉が始まった例がある一方、環境省によりますと開幕直後の1日の利用者は300人ほどだったということで、11月12日までの期間中に周知を進められるかがポイントになります。

環境省地球環境局の水谷好洋参事官は「できるだけ多くの人に見てもらえるように案内している。ポストコロナ時代の見せ方の1つとして、多くの方にアピールしたい」と話していました。

日本の対面パビリオンは

COP26の日本のパビリオンは、メインの通路から各国のブースがあるエリアに入ってすぐの、目立つ場所にあります。

1階では12の企業や団体が展示を設け、工場などの排ガスから二酸化炭素を回収する技術や、水素と酸素を反応させて発電する燃料電池など、「脱炭素」につながる最先端の技術をPRしています。

また2階のスペースでは、最新の気候変動対策について紹介するセミナーなどが連日開かれています。

パナソニックの展示では、燃料電池と太陽光などの再生可能エネルギー、それに蓄電池を組み合わせて、工場などにクリーンな電力を安定して供給する取り組みが模型を使って説明されています。
パビリオンで説明を受けた、水素が専門というイギリスの大学教授は「水素の普及には技術開発が必要だが、日本は技術をリードしている。イギリスと日本が協力すれば互いにとって有益だと感じた」と話していました。

会場で説明を行う担当者は「対面ならではの人との出会いもあり、海外の多くの方から興味を持ってもらっている。将来の主力事業となるようPRしていきたい」と話していました。

日本のバーチャルパビリオンは

インターネットの仮想空間には、日本政府のバーチャルパビリオンも設けられています。

このバーチャルパビリオンは3つのエリアに分かれていて、企業や団体のブースが並んでいるほか、出展企業による発表などを見ることができます。
1日、京都市にあるベンチャー企業が仮想空間にあるモニターを使って発表を行い、発電所から出る大量の灰をリサイクルして空気や水中の微粒子を吸着して除去することができる製品を紹介しました。

そして、一般的な吸着剤よりも能力が高く、空気清浄機のフィルターやマスクなどにも応用できることをアピールしました。

発表のあとオーストラリアの鉱山会社から問い合せがあり、今後共同でプロジェクトを行う方向で話し合いを始めることになったということです。

ベンチャー企業の社長の久保直嗣さんは「バーチャルパビリオンに参加して成果もあった。出張する必要がないので、環境への負荷も小さいと感じている」と話していました。
また、新潟県南魚沼市に工場を持つベンチャー企業は、食用には適さないなどの理由で廃棄される可能性があったコメを原料にして作ったプラスチック製品をアピールする発表を行いました。

しかし、冒頭から映像は流れるもののシステムのトラブルで音声が伝わらないアクシデントが発生し、トラブルは復旧しないまま持ち時間が終わってしまいました。

日を改めて発表の機会が設けられるということで、オンラインならではのトラブルなど、初めてのバーチャルパビリオンの運営が手探りで行われていました。
このベンチャー企業の杉原孝行さんは「バーチャルで開催されるので体力がない企業でも参加できるのがいい。トラブルはあったが、それ以上にCOP26でPRできるメリットが大きいと思う」と話していました。

こうしたCOP26のバーチャルパビリオンは、インターネットで登録をすれば一般の人でもパソコンやスマートフォンから見ることができるということです。