更年期症状 “仕事辞めざるをえない” 男女とも1割近くに

気分の落ち込みや体の痛みなど心身の不調が起きる更年期症状を経験した人のうち、症状のせいで仕事を辞めざるをえなかった人は男女ともに1割近くに上ることが、NHKと専門機関が共同で行ったアンケートで分かりました。

更年期は、女性ホルモンが急激に減少する閉経前後の40代半ばからの10年間の時期を言い、すべての女性が経験します。

一方、男性でもストレスなどによって男性ホルモンが減少することで、40代から60代ごろにかけていわゆる更年期症状が出ることがあります。

NHKは働く女性のおよそ4割がこの年代にさしかかる中、仕事への影響を調べるため、ことし7月、女性や労働者の支援を行う複数の団体と共同で、全国の40代と50代の男女およそ4万5000人を対象にインターネットでアンケートを行いました。

それによりますと、更年期の症状を「現在、経験している」または「過去3年以内に経験した」と答えた人の割合は、女性37%、男性9%でした。
このうち、症状などから治療が必要な更年期の不調があるとみられるおよそ5300人に仕事への影響を具体的に聞いたところ、症状が原因で「仕事を辞めた」と答えた人は、女性9%、男性7%で、男女ともに1割近くに上りました。
「人事評価が下がった・降格した」「正社員から非正規になった」などを含めた、仕事に何らかのマイナスの影響があった人は女性15%男性21%でした。

一方で職場での問題を誰にも相談しなかった人は、女性で61%、男性で47%に上り、更年期症状に悩む人の多くが1人で問題を抱え込んでいることがうかがえます。
今回の調査結果をもとに労働経済学が専門の日本女子大学の周燕飛教授が推計した結果、更年期障害が原因で仕事を辞めた経験がある人、いわゆる「更年期離職」の数は、女性でおよそ46万人、男性でおよそ11万人に上るとしています。

また、更年期離職を含めて仕事に何らかのマイナスの影響があった人は、女性で75万人、男性で29万人に上り、更年期の症状による雇用の劣化=「更年期ロス」は、男女合わせて100万人を超える計算になるとしています。

周教授は「更年期離職が働く女性にとって身近であること、さらに男性も無視できない影響が出ていることが可視化された。更年期症状は一時的なもので、治療や職場の配慮などで働き続けることができるので、ひとりで抱え込まずに医療機関や職場に相談してほしい。一方、企業は生産性の高い年代の人材を失わないためにも、休みを取りやすくするなど支援策に取り組んでほしい」と話しています。