“新型コロナで受診控え” がん診断件数 約9%減少

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う受診控えによって、去年がんと診断された件数が前の年からおよそ9%減少し、手術件数も減っていたことが日本対がん協会などの調査でわかりました。今後、進行した状態で見つかるケースが増えるおそれがあるとして早めの受診などを呼びかけています。

日本対がん協会とがん関連の3つの学会は、全国のがん診療の拠点病院などを対象に新型コロナの影響について調査した結果を発表しました。

調査では105の施設から回答があり、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの診断件数は去年は合わせて8万660件で、おととしより8000件余り9.2%減少していました。
減少の割合は
▽胃がんが13.4%
▽大腸がんが10.2%
▽乳がんが8.2%
▽肺がんが6.4%
▽子宮頸がんが4.8%で、特に早期での診断の減少が目立ったということです。
また手術の件数もがんの種類ごとに、およそ4%から16%減少していました。

感染対策の確立に伴い検診の受診件数は回復傾向ですが、対がん協会は「今後、がんが進行した状態で見つかるケースが増えると懸念される」としています。

日本癌治療学会の土岐祐一郎理事長は「飛まつ対策で内視鏡検査が制限された胃がんで診断件数が特に減った。胃がんは進行するとがんが広がるスピードが速い傾向があり懸念している。積極的な受診を呼びかけたい」と話しています。