RCEP 来年1月発効の見通しに 巨大貿易圏誕生へ

日本や中国、それにASEANなどが参加するRCEP=地域的な包括的経済連携についてオーストラリアなどは承認手続きを完了したと発表し、これによって来年1月に協定が発効する見通しとなりました。

RCEPは去年11月、日本や中国、韓国、それにASEAN=東南アジア諸国連合の加盟国など15か国で合意していて、各国が発効に必要な国内手続きを進めています。

ASEANの10か国のうち6か国とそれ以外の日本や中国など5か国のうち3か国の少なくとも9か国が承認手続きを終えると、その60日後に発効することになっています。

これについてオーストラリアは2日、必要な手続きを承認したと発表しました。

あわせてニュージーランドも手続きを完了したとしています。

取りまとめをしているASEAN事務局が手続きを終えたことを示す文書を正式に受け取ればRCEPは要件を満たすこととなり、来年1月に発効する見通しとなりました。

今後、15か国すべてで発効すれば世界の人口やGDPのおよそ3割を占める巨大な貿易圏が生まれ、輸出や消費、投資の拡大が期待されています。

日本にとって最大の貿易相手国である中国と初めての経済連携協定になります。

オーストラリア「ASEANとの貿易関係を強化」

オーストラリアのペイン外相とテハン貿易相は「オーストラリアとニュージーランドによる批准で、RCEPが2022年1月1日に発効する条件が整った」とする声明を発表しました。

そのうえで「RCEPはオーストラリアとASEANとの貿易関係を強化し、ASEANが率いる地域経済に対するわが国の取り組みを特徴づける存在になるだろう」として、ASEAN=東南アジア諸国連合の国々との連携を重視していく姿勢を強調しました。

ニュージーランド「ASEANの国々 世界経済に必要不可欠」

ニュージーランドのトワイフォード貿易・輸出振興担当相は3日、声明を出し「ASEANの国々は世界経済にとって必要不可欠な存在だ。ニュージーランドとオーストラリアの双方が、ASEANが率いるRCEPを批准したことは、私たちとASEANの間の強固な協力関係を示している」として、発効の見通しになったことを歓迎しています。

中国 発効による貿易や投資拡大に期待感

中国外務省の汪文斌報道官は3日の記者会見で「中国は、各国とともに努力してRCEPを推し進め、なるべく早く共通の利益がもたらされ、地域経済の一体化と長期的な繁栄や安定が進むよう望んでいる」と述べ、発効によって貿易や投資が拡大することに期待感を示しました。

RCEPの意義は

RCEPでは貿易の自由化をはかるため農林水産品や工業製品にかけられていた関税の撤廃や引き下げ、それに輸出入の手続きの簡素化やサービスや投資のルールなどが定められています。

今後、15か国すべてで発効すれば最大の貿易相手国である中国や韓国との初めての経済連携協定となり、アジア太平洋地域で世界の人口やGDPのおよそ30%を占める巨大な貿易圏が生まれることになります。

TPP=環太平洋パートナーシップ協定でカバーするのは、2018年時点で世界のGDPの13%、人口で見ると7%で、TPPよりも大きな貿易圏が誕生することになります。

日本企業にとっては中国や東南アジアでの事業を拡大できる可能性が高まり、新型コロナウイルスの感染拡大でもろさを露呈した部品の供給網=サプライチェーンの強化にもつながることが期待されます。

ただ、農林水産品や工業製品にかけられていた関税の撤廃率は、全体で91%とTPPや日本とEU=ヨーロッパ連合のEPAに比べて低い水準に抑えられています。

さらにインドが署名を見送ったことで、RCEPの中で最も大きい市場を抱える中国の存在感がさらに高まるという見方も出ています。