「緊急事態宣言」「まん延防止」解除から1か月 各地では…

19の都道府県に出されていた「緊急事態宣言」や「まん延防止等重点措置」が、10月1日に全面的に解除されてから1か月がすぎました。
各地のコロナ禍からの回復はどのような状況なのでしょうか。

伊勢神宮にぎわいもどる 三重 伊勢

三重県伊勢市の伊勢神宮の周辺には、修学旅行生を中心に多くの観光客が訪れ、にぎわいが戻りつつあります。

伊勢神宮によりますと、10月の参拝者数はおよそ35万人で、緊急事態宣言が出されていた9月の11万人余りと比べると3倍以上に増えました。

10月は県内外の200を超える学校が修学旅行に訪れたということで、2日も内宮前の駐車場には、京都府や愛知県などから観光バスが次々と訪れていました。

このうち、愛知県稲沢市の中学校は行き先を東京から三重県に変更し、旅行の時期も延期を繰り返してようやく来ることができたということで、3年生の女子生徒は「やっと来られてうれしいです。とても楽しいです」と話していました。

伊勢神宮周辺でガイドをしている70代の男性は「宣言が解除されてから訪れる人の顔も明るくなってきました。感染が再び拡大しないよう注意しながら過ごしたい」と話していました。

また、内宮近くにある土産店の60代の店長は「客も少しずつ増えてきたので、このまま第6波が来ないで年末年始を迎えたいです」と話していました。

2年ぶりに対面での学園祭 大阪 東大阪

大阪府東大阪市にある近畿大学では、2年ぶりに対面での学園祭が行われています。
2日は午前10時から吹奏楽部や応援部などおよそ80人がパレードを行って学園祭がスタートしました。

近畿大学の学園祭は、新型コロナウイルスの感染拡大前は、3日間で5万人が訪れる規模で開催されていましたが、去年は初めてオンラインで実施されました。

ことしの開催について、学生でつくる実行委員会と大学側が協議を進めた結果、感染状況が落ち着いていることなどから、必要な対策を講じたうえで2年ぶりに対面での実施となりました。
感染対策として学園祭に入場できるのは原則、在学生のみ。一日当たりの入場者を4000人から5000人に制限し事前予約が必要とされています。

パレードを見ていた4年生の学生は「コロナ前と比べて、屋台などが少なくさみしい部分はありますが、対面で開催されてとてもうれしいです」と話していました。
近畿大学の学園祭は4日まで開かれ、音楽ライブなどさまざまなイベントが予定されています。

「会食は4人以内」も解除 飲食店は期待と不安 北海道 函館

飲食店での会食を4人以内にすることなどを求める北海道の対策が10月末で終了したことを受けて、函館市の飲食店からは利用者の増加を期待する一方、感染対策を万全にしたいという声が聞かれました。

北海道は、10月31日までを「秋の再拡大防止特別対策」の期間として、飲食店での会食を4人以内にすることなどを求めてきました。
対策が終了したことを受けて、早くも函館市内の居酒屋には今週末、6人のグループの予約が入ったということです。
店では、道の「第三者認証」を取得し、8人用の席を6人で利用し、密にならないよう工夫するなど感染対策を徹底したうえで、利用客が増加することを期待しています。

「酒肴菜友 じょっぱり」の森田吉郎店長は、「忘年会シーズンを控えて多くのお客さんに来ていただきたいですが、一方で感染が広がらないか不安もありますので、対策を万全にして営業していきたいです」と話しています。