岸田首相 衆院選受け会見 「スピード感を持って政策実行」

衆議院選挙を受けて岸田総理大臣は自民党本部で記者会見し、自民・公明両党による連立政権への信任が得られたとして、スピード感を持って政策を実行していく考えを強調しました。

また、小選挙区で敗れ辞任の意向を示している甘利幹事長の処遇について、できるだけ早く対応を決める考えを示しました。

「スピード感を政策実行の面で発揮していく」

岸田総理大臣は、記者会見で「衆議院選挙でわれわれに貴重な1票を投じていただいた有権者に心からお礼を申し上げる。大変厳しい選挙だったが、引き続き自公政権の安定した政治のもとで、この国の未来を作り上げていってほしいという民意が示されたことを、身が引き締まる思いで受け止めている。自民党に261議席という貴重な支援をいただき、責任政党、自民党として国民の負託に応えていく」と述べました。

そのうえで「一方で、多くの厳しい声も寄せられたことは厳粛に受け止めなければならない。自民党総裁選挙から組閣、そして解散・総選挙とスピード感を持って進めてきた。国民の皆さんの信任を得た今、みなさんから頂いた1票1票の重みを胸に、今後はスピード感を政策実行の面で発揮していく」と述べました。

新型コロナ「3回目のワクチン接種を12月から」

新型コロナウイルスの対応については「今月前半までに新型コロナ対応の全体像を示す。入院を必要とする方が確実に入院できる体制を今月末までに整備する。すべての自宅・宿泊療養者に対し、陽性判明当日か、遅くともその翌日には医師などの専門家が連絡を取る即応体制を構築する」と述べました。

そして「3回目のワクチン接種を12月から開始するとともに、無料検査の範囲を大幅に拡大する。そして早期治療の切り札である飲み薬について年内の実用化を目指し、承認された薬について必要量を確保する。これまでの新型コロナ対応を徹底的に検証し、感染症危機管理の抜本的強化、司令塔組織の創設にも取り組んでいく」と述べました。

甘利幹事長の処遇「できるだけ早いうちに対応決定したい」

「甘利幹事長の処遇については、甘利氏から進退を私に預けるということを言われている。私の方でいま預かっているが、本人とよく話し合った上で、できるだけ早いうちに私がこの対応を決定したい」と述べました。

経済「大型の経済対策を11月中旬に策定」

「私みずからがリーダーシップをとり、与党とも連携して大型の経済対策を11月中旬に策定し、年内のできるだけ早期に補正予算を成立させて国民の皆さんに一刻も早くお届けをする。経済対策には非正規、子育て世代などで生活にお困りの方へのプッシュ型の給付金を盛り込み国民の生活を支えていく」と述べました。

そのうえで「事業主向けの給付金については地域、業種を問わず来年3月まで見通せるような形で持続化給付金並みの措置を盛り込み、雇用調整助成金の特例措置を来年3月まで延長する。経済再生に向け消費を喚起するため安全安心な形に見直した上で『Go Toトラベル』の再開を検討していく」と述べました。

また「看護、介護、保育などの現場で働いている方々の収入を増やしていくため、来週にも『公的価格評価検討委員会』を設置し、公的価格のあり方を抜本的に見直していく」と述べました。

維新との連携「政策ごとに是々非々で議論」

「国会運営において、まずは自公連立がわれわれの基本であるということはこれからも変わらず、その上で必要ならば野党とも話し合うというのが基本だと思っている」と述べました。

そのうえで、今回の衆議院選挙で第三党に躍進した日本維新の会との連携については「同じ保守勢力であるということも踏まえ、政策ごとに是々非々で議論をしていく」と述べました。

外交「同盟国には可能な限り早期訪問」

「首脳外交を積極的に展開し、アメリカをはじめ、同盟国や同志国には可能な限り早期に直接訪問し、これらの首脳をわが国に迎える。国際会議の機会や電話会談も活用していく」と述べました。

また「早速、明朝には気候変動対策の国際会議、COP26の首脳会合に出席するため、イギリスに向けて出発する。わが国が2050年カーボンニュートラルの旗を堅持するのはもちろんのこと、アジア全体でのゼロエミッション化に向け、わが国がリーダーシップを発揮していく」と述べました。

そのうえで「私が指示した国家安全保障戦略などの改定については、今後、国家安全保障会議で徹底的に議論を行い、ミサイル防衛力、AIなどの先端技術、宇宙、サイバーなどの新たな課題にスピード感を持って対応していく」と述べました。

選択的夫婦別姓「国民の幅広い理解を」

選択的夫婦別姓について「社会の多様性は活力の源なので大事にしていかなければならないし、実際に困っている方や必要としている方がいるので議論は進めていくべきだ。しかし、こうした制度は社会全体として受け入れる制度なので、国民の幅広い理解が伴わなければならない。私自身、地域や地元でいろいろな対話をする中で、この制度について十分理解されていない部分もあるのではないかと感じている」と述べました。

子ども支援「調整した上で現金支給の範囲確定」

公明党が衆議院選挙の公約に盛り込んだ、18歳までの子どもを対象に1人あたり一律10万円相当の支援を行うことについて「公明党が選挙期間中に主張していた給付のあり方と、われわれ自民党が主張していた給付のあり方は重なる部分もあるし、重ならない部分もある。ただ、ともに現金を困った方々に支給するという考え方においては共通していると認識しているので、重なる部分を中心にできるだけ調整をした上で現金支給の範囲を確定し、経済対策としてまとめていきたい」と述べました。

憲法改正「国民の理解や協力 欠かすことできない」

憲法改正について「憲法改正には、国会議員の3分の2の発議とあわせて国民投票による2分の1の賛成が要件として定められている。国会でより具体的な議論を深めて賛同する方々を増やしていくのも大変重要だが、あわせて国民の理解や協力も欠かすことはできない」と述べました。

その上で「まだまだ前向きな方向で国民の理解を広げる余地は多いと感じるので、国会と国民の理解の両方を並行して進めて要件をクリアして、結果につなげていきたい」と述べました。

選挙「より強い支持いただいた」

今回の選挙で、自民党がいわゆる「絶対安定多数」の261議席を獲得した要因について問われたのに対し「国民との間で約束した選挙公約について、野党との違いをできるだけ明らかにするよう訴え続けてきた。より多くのみなさんにご理解をいただいた点は、大変大きなことだと思っている」と述べました。

そして「今回の衆議院選挙は政権選択選挙だ。政権のあり方として、野党は、立憲民主党や共産党といった政党が候補者を一本化して選挙に臨んだわけだが、自公政権がより強い支持をいただいた。しっかりよく結果を分析し、今後の選挙に生かしていきたい」と述べました。

党改革「これから本格的に取り組む」

党役員の任期に制限を設けるなど、今後の自民党改革の進め方について「党改革は大変重要だと思っており、決して忘れているわけではなく、いよいよこれから本格的に取り組んでいきたい。役員の任期などをはじめとする党の人事のあり方や政党としてのガバナンスコードなど、近代政党としてしっかりとしたルールを作っていくことが重要だ」と指摘しました。

その上で「個別の人事がどうこうではなく、国民政党、近代政党として国民から透明性を感じてもらい、理解される政党としてのルール作りをしっかりと進めていきたい。選挙が終わった今、改めて党内において党改革についてもしっかり取り組む体制を作っていきたい」と述べました。

「岸田ノート」に何を書き込んだか

「岸田ノート」に何を書き込んでいたのか問われたのに対し「選挙期間中も国民との車座対話を各地で行った。農業や飲食・商業関係、それに介護や保健の分野を学ぶ学生などと話をさせてもらい、新型コロナウイルスによるコメの値段の激減や、借金の中で事業を再稼働させる際の心配など、具体的にいろいろ聞き、ノートに書き込んだ」と述べました。

防衛費の増額「丁寧に議論」

いわゆる「敵基地攻撃能力」について「まさに選挙戦の初日に北朝鮮の弾道ミサイルが発射され、そのミサイルも技術がどんどん進化しているという状況であり、わが国として国家安全保障戦略をはじめ基本的な戦略からしっかりと見直し、現実的に国民の命や暮らしを守れるかどうか不断に検討していくことが大事だ」と述べました。

また、防衛費の増額について「国民の命と暮らしを守るために何が必要なのか、予算ありきではなく、必要なものを現実をしっかり見据えた上で考えていく。与党としてしっかり議論を行っていくことが大事であり、公明党にもご理解いただけるよう、丁寧に議論を進めていきたい」と述べました。