タイ 日本含む外国人旅行者受け入れ再開 ワクチン接種を条件に

タイ政府は、新型コロナウイルスのワクチン接種を条件に、日本を含む60以上の国と地域からの旅行者を対象に1日から入国時の隔離を免除し、受け入れを本格的に再開しました。

タイ政府は、新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた経済の立て直しを目指して、日本を含む63の国と地域からの旅行者を対象に、これまで義務づけていた入国時の隔離を1日から免除しました。

新型コロナのワクチン接種を終えていることや、事前にPCR検査で陰性が確認されていることなどが条件で、到着後に再度検査を受けることも求められています。

バンコク近郊の空港では海外からの観光客らが次々に到着し、体温を測ったあとホテルに向かっていました。

ドイツから訪れた35歳の男性は「隔離なしで入国できるのは、とてもよいことだ。街を歩き回っておいしい料理を楽しみたい」と話していました。

タイでは新型コロナの感染が拡大し始めた去年3月以降、外国人の入国が厳しく制限され、コロナ前に年間およそ4000万人だった外国人旅行者は、ことしは9月末までで8万5000人にとどまっていて、受け入れ再開に観光や飲食業界からの期待は高まっています。

一方、タイでは現在も1日の新規感染者が8000人を超え、先月中旬に国内の大学が行った調査では旅行者の受け入れは時期尚早だと回答した人が6割に上るなど、不安の声も上がっています。

バンコクの観光地 旅行者受け入れ再開に期待の声

本格的な旅行者の受け入れ再開に、タイの首都バンコクの観光地では早くも期待の声が聞かれました。

このうち「暁の寺」とも呼ばれるバンコク有数の観光地、ワット・アルンでは、まだ外国人観光客の姿は見られませんでしたが、土産物店では店員が商品を並べ直すなど準備を進めていました。

土産物店を経営する女性は「みんなが外国人観光客にタイに来てほしいと思っています。タイに住むみんなの暮らしがよくなると思う」と話していました。

また観光客向けにボートを貸し出している女性は「受け入れ再開はとてもうれしいです。新型コロナウイルスは消えてなくならないので、共存していく必要があると思います」と話していました。

オーストラリアでも自国民など一部の州や都市で免除

オーストラリアでも、1日から最大都市のシドニーを含む一部の州や都市でワクチン接種を条件に入国後の14日間の隔離が免除されました。

帰国した自国民と、駐在などのために特別に入国を許可された外国人が対象です。

シドニー空港では、海外から帰国した人たちが家族との再会を喜んでいました。

2年ぶりにスペインから帰国し、ことし生まれた娘を両親に初めて会わせることができた40代のオーストラリア人の女性は「隔離はないほうがいいので、このタイミングで帰国できてよかったです」と、ほっとした様子で話していました。

一方、外国人の隔離の免除については、政府からの事前の説明が行き届いていなかったことから、隔離先が用意されていると思って入国した外国人が空港スタッフに事情を尋ねるなど混乱も見られました。

駐在のため入国した40代の日本人の会社員の男性は「外国人も隔離はなくなったと突然言われて驚きました。これから滞在先のホテルを自分で探します」と困惑した様子で話していました。

オーストラリアは新型コロナ対策として、去年3月から外国人の入国を厳しく制限していますが、シドニーのあるニューサウスウェールズ州のエアーズ雇用・投資・観光相は、空港で記者団の取材に応じた際に「観光客の受け入れ再開も遠くないだろう」と話し、今後、観光客や留学生の受け入れも段階的に進めていきたいとの考えを示しました。

アジア各国 海外からの旅行者受け入れ再開の動き

アジア各国では、経済の立て直しにつなげようと海外からの旅行者の受け入れを再開する動きが進み始めています。

このうちシンガポールは、ワクチン接種を終えた観光客やビジネス客を対象に隔離なしで入国を認める制度をアメリカやイギリスなど10か国との間で実施していて、今後さらに対象を広げる予定です。

またインドネシアは去年4月以降、観光目的の外国人の入国を認めていませんでしたが、リゾート地のバリ島とリアウ諸島に限り受け入れを再開すると10月14日に発表しました。

日本や中国など19か国からの観光客で、ワクチン接種を終えていることや、入国後5日間は自己負担で隔離を行うことなどが条件になっています。

さらにインドは11月15日から外国人観光客の受け入れを本格的に再開する方針のほか、マレーシアも11月15日からランカウイ島に限ってワクチン接種を終えた外国人観光客を隔離なしで受け入れると発表しています。

アジア各国は感染拡大防止のために厳しい入国制限を続けてきた影響で、主力の観光業が落ち込み、経済の回復が遅れています。

各国とも年末年始の観光需要が高まる時期に外国人観光客を受け入れ、経済の立て直しにつなげるねらいがあるとみられますが、感染の再拡大につながるおそれがあるとして国民からは不安の声もあがっています。