京王線 逮捕された24歳容疑者「人を殺し死刑になりたかった」

31日夜、東京 調布市を走行中の京王線の車内で男が刃物で乗客に切りつけさらにオイルをまいて火をつけました。17人がけがをしてこのうち1人は意識不明の重体になっていて、警視庁が24歳の容疑者を殺人未遂の疑いで逮捕して詳しい状況を調べています。調べに対して「人を殺して死刑になりたかった」などと供述しているということです。

31日午後8時ごろ、東京 調布市の国領駅近くを走行していた京王線の車内で、男が座席に座っていた72歳の乗客の男性を刃物で刺しました。

さらにライター用のオイルをまいて火をつけ、先頭から6両目の5号車付近で一時、大きな炎が上がりシートの一部が焼けました。

警視庁などによりますと、刺された72歳の男性が意識不明の重体になっていて、ほかに中学生を含む16人が煙を吸うなどしてけがをしました。

電車は新宿行きの上りの特急電車で、本来は止まらない国領駅に緊急停車し、乗客は窓からホームに降りて避難したということです。
警視庁は現場にいた職業・住所ともに不詳の服部恭太容疑者(24)を殺人未遂の疑いで逮捕しました。

捜査関係者によりますと、調べに対して「人を殺して死刑になりたかった。2人以上殺せば死刑になると思った。8月に起きた小田急線での事件を参考にした」などと供述しているということです。

服部容疑者は緑色のシャツにネクタイをして青っぽいスーツとコートのような服を着ていて、駆けつけた警察官に「刃物を捨てろ」と言われ素直に従ったということです。

警視庁が事件の詳しいいきさつを調べています。

京王線 車両のドア開けられず

国土交通省によりますと、今回の事件では国領駅の1つ手前の布田駅を通過中に非常通報装置のボタンが押されましたが、車内が混乱していて何が起きているか車掌などがマイクで聞き取ることができなかったということです。

事件が起きた車両内には防犯カメラがなく、リアルタイムで車内の状況を確認することはできなかったとしています。

非常通報装置が押され車内の状況が確認できない場合は次の駅で停車することになっているため国領駅で停車しましたが、刃物を持った男が車内にいることが分かったのはその後だったということです。

また、駅に停車する前に外に出ようとした乗客がドアの非常用のコックを使用し通常の停車位置より2、3メートル手前に電車を止めざるをえなかったということです。

そのため停車位置がずれて駅のホームドアの位置と合わず、車両のドアを開けることができなかったということです。

国土交通省は京王電鉄に対して、さらに詳しい報告を求めることにしています。

容疑者を目撃した乗客「大きな刃物を持っていた」

容疑者を目撃したという乗客の20代の男性は「音楽を聴きながら電車に乗っていたら男がゆっくり歩いて近づいてきました。最初はハロウィーンのイベントか何かかと思ったが、ほかの乗客が逃げているのを見て、これはやばいと思いました」と話していました。

また、男の様子について「金髪でメガネをかけていて緑のシャツにコートを着て大きな刃物を持っていた。刃物には血が付いていました」と話していました。

国土交通省 鉄道事業者に警戒の徹底を指示

国土交通省はことし8月に起きた小田急線での事件に続いて、再び電車内で刃物を使った事件が発生したことから、全国の鉄道事業者に対して駅などの巡回の強化や警備員が列車に乗車して警戒にあたるなど警戒監視を徹底するよう指示しました。

今後、警察と連携して行う京王電鉄の調査の結果を踏まえ、さらに各社に具体的な指示をすることも検討するということです。

電車内の事件 これまでも

走行中の電車内で乗客が無差別的に襲われる事件は、これまでも相次いで起きています。

2018年には神奈川県内を走行中の東海道新幹線の車内で、乗客の男女3人が切りつけられ男性1人が死亡しました。

さらに、ことし8月には東京 世田谷区を走行していた小田急線の車内で乗客が刃物で切りつけられ10人が重軽傷を負いました。

相次ぐ事件を受けて、鉄道各社は列車内を監視する防犯カメラの導入を進めたり、巡回の頻度を増やしたりするなど、対策を強化しています。

ただ、乗客の手荷物を検査することは現実的に難しく、刃物などを車内に持ち込んでもチェックしきれないのが実態です。