航空業界 今年度も苦境続く ANA赤字へ JALも厳しい内容か

ANAホールディングスが29日発表した今年度の業績予想は、最終的な損益が一転して1000億円の赤字と、航空業界の苦境を改めて浮かび上がらせる形になりました。来週は「日本航空」も決算発表を予定していて、今年度の業績予想についてどのように説明するかが焦点になります。

ANAホールディングスは29日、片野坂真哉社長が記者会見し、今年度の決算では、グループ全体の最終的な損益が、これまでの黒字予想から一転して、1000億円の赤字になるという見通しを明らかにしました。

そのうえで、事業構造改革の一環として、新規採用の抑制や、定年退職などで、ANAとその系列の従業員を2025年度までに、およそ9000人減らす方針も打ち出しました。

今回の業績予想の下方修正は、新型コロナウイルスの影響が長期化する中、航空業界の苦境を改めて浮かび上がらせる形になりました。

ANAに続いて、来週は日本航空も今年度の中間決算の発表を予定しています。

関係者によりますと、国内線、国際線ともに利用者数の回復が遅れているということで、厳しい内容になるのは避けられないとみられます。

これまで日本航空は、今年度1年間の業績予想の開示を「合理的な算出が困難」として見送ってきましたが、節目の中間決算発表に合わせて、どのように説明するかが焦点になります。