ANA HD 最終損益1000億円の赤字の見通し 従業員約9000人削減へ

航空大手のANAホールディングスは、来年3月までの1年間の業績予想を下方修正し、最終的な損益が一転して1000億円の赤字になるという見通しを明らかにしました。
コスト削減を進めるため、ANAとその系列の従業員を2025年度までにおよそ9000人減らすとしています。

発表によりますと、ANAホールディングスは、来年3月までの1年間のグループ全体の決算で、最終的な損益が1000億円の赤字になる見通しです。

これまでは、35億円の最終黒字を確保できるとしていましたが、新型コロナウイルスの影響が長期化し、国内線、国際線ともに利用者数の回復が遅れていることを受けて、一転して業績予想を下方修正しました。

実際に最終赤字になれば、4000億円を超す過去最大の赤字を計上した昨年度に続き、2年連続です。

会社は、厳しい経営環境を踏まえ、抜本的な事業構造改革に取り組むとしていて、コスト削減を進めるため、ANAとその系列の従業員を2025年度末までにおよそ9000人減らすとしています。

これは、およそ3万8000人の従業員がいる今のANA系列全体の2割を超える規模で、新規採用の抑制や定年退職などで減少させる方針です。

片野坂真哉社長は記者会見で「航空事業は感染症の影響を受けやすく、従業員を多く抱えると、ぜい弱性が高まる。スリム化によって、コロナのトンネルを抜けていきたい」と述べました。