米フェイスブック 社名を「メタ」に変更 仮想空間の開発強化へ

アメリカのIT大手、フェイスブックはSNSの運営だけでなくメタバースと呼ばれる仮想空間の開発を強化するため社名を「メタ」に変更すると発表しました。フェイスブックはSNSの情報管理をめぐる問題が相次いで報じられていて、このタイミングでの発表が理解を得られるかは不透明です。

SNSの名前は変わらず

フェイスブックのザッカーバーグCEOは28日、オンラインで開催したイベントで、社名を「メタ」に変更すると明らかにしました。

提供している「フェイスブック」や「インスタグラム」といったSNSの名前は変わらないということです。

社名変更の理由について、ザッカーバーグCEOは「現在の社名はわれわれが行っている事業の全体像を網羅していない。メタバースが次のフロンティアだ」と説明しました。

メタバースは、ネット上の仮想空間の中で自由に行動したりほかの参加者と交流したりできるサービスで、マイクロソフトなどIT企業が相次いで参入し、次世代のサービスとして注目されています。

ただ、フェイスブックをめぐっては元社員が議会に提出した内部文書をもとに情報管理の体制などに関する新たな問題が次々と報じられ、当局が調査に乗り出したと伝えられたばかりです。

会社は一連の報道に反論していますが、SNSの情報管理などで批判が広がっているタイミングで新たな事業を強化する方針を打ち出したことが理解を得られるかは不透明です。

ザッカーバーグCEO「前に進み続ける」

発表の冒頭で、ザッカーバーグCEOは、「今は、未来に焦点を当てるべき時ではないという人もいると承知しているが、取り組むべきことは常にある。間違うこともあるが、われわれは学び続け、開発し続け、前に進み続ける」などと述べました。

ただ、今回のイベントの中でSNSの情報管理をめぐる問題について、直接の説明はありませんでした。

メタバース事業 強化の背景は

「メタバース」は、インターネット関連サービスの「次の形」と位置づけられています。

今はSNSなどインターネット上のプラットフォームを使って友人との交流や写真や動画の共有ができますが、メタバースではデジタルのコンテンツを見るだけでなく、その世界に深く入り込めるサービスが提供されます。

VR=仮想現実の空間で、物理的に距離が離れている人と会話をしたりゲームの中で対戦者などと交流したりするサービスもその1つです。

新型コロナで在宅勤務やオンラインでの人とのやり取りが増えたことで一段と注目が高まることになり、市場規模は、2024年には8000億ドル、日本円でおよそ90兆円にのぼるという推計もあります。

メタバースに詳しいマシュー・ボール氏は「メタバースを制する会社は、今存在するどの巨大IT企業より力を持つようになるだろう」と述べて、今後のIT業界をけん引するサービスになるという認識を示しました。

また、フェイスブックがメタバースの事業を強化する背景について「アップルやグーグルなどほかの巨大IT企業と異なり、市場に広く出回る製品やシステムを持ち合わせていない。メタバースに注力すれば、VRのゴーグルなどの販売で広告収入以外の売り上げが見込める」などと指摘しました。