東アジアサミット 米大統領と中国首相が応酬 南シナ海問題で

ASEAN=東南アジア諸国連合の加盟国に、日本やアメリカ、中国、ロシアなど8か国を加えた東アジアサミットが27日夜開かれました。

南シナ海の問題をめぐってアメリカのバイデン大統領が覇権主義的な行動を強める中国を念頭に懸念を表明したのに対して、中国の李克強首相は関与を強めるアメリカをけん制し、応酬となりました。

東アジアサミットはオンライン形式で開かれ、南シナ海の問題が主要な議題の1つになりました。

南シナ海で中国は人工島を造成して軍事拠点化を進めるなど、海洋進出の動きを強めています。

一方、アメリカは南シナ海を含むインド太平洋地域で同盟国とともに、新たな安全保障の枠組みをつくるなど、中国包囲網づくりともいえる動きを進めていて、両国の対立は深まっています。

27日夜の会議で、アメリカのバイデン大統領は覇権主義的な行動を強める中国を念頭に「規則に基づいた国際秩序への脅威」に懸念を表明しました。

そのうえで「民主主義や人権、法の支配や海洋の自由を守るため同盟国や友好国を引き続き支援していく」と強調しました。

これに対して、中国国営の新華社通信によりますと李克強首相は「中国とASEAN諸国との努力によって、南シナ海の状況は全体的に安定を維持しており、航行の自由に問題が生じたことはない」と述べ、南シナ海への関与を強めるアメリカをけん制しました。

こうした米中の応酬を受けてタイのプラユット首相は「東アジアサミットを一時的に誰かが勝利するための争う場から、全員が継続的な恩恵を受ける協力関係をつくる場へと変える必要がある」と訴えるなど、ASEANの加盟国からは米中の対立の深まりを懸念する声が相次ぎました。

会議の成果を示す声明は議長国のブルネイが取りまとめることになっています。

“岸田首相発言”で中国外務省報道官が日本側に申し入れ

岸田総理大臣が東アジアサミットで、中国を念頭に東シナ海や南シナ海への進出や経済的威圧に対し、強く反対していく考えを示したことについて、中国外務省の汪文斌報道官は28日の記者会見で「日本の指導者が多国間の場で中傷外交を行い、中国の内政に不当に介入したことは、両国関係の健全な発展や地域の平和と安定にとって建設的ではない」と主張し、日本側に厳正な申し入れを行ったことを明らかにしました。