米軍制服組トップ 中国の「極超音速ミサイル」に強い懸念示す

中国が音速のおよそ5倍の速さで飛行し迎撃がより難しいとされる「極超音速ミサイル」の発射実験を行ったと伝えられたことに関連して、アメリカ軍の制服組トップは中国による実験の実施を認めたうえで、中国側の技術力の向上に強い懸念を示しました。

イギリスの経済紙フィナンシャル・タイムズは、中国がことしの夏、核弾頭の搭載が可能な「極超音速ミサイル」をロケットに搭載し、宇宙空間から地上の標的に向けて滑空させる実験を行ったと伝えました。

これについてアメリカ軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は、アメリカメディアのインタビューで「私たちが目の当たりにしたのは極超音速兵器システムの非常に重要な実験だった」と述べ、アメリカ軍としても実験の実施を確認していることを認めました。

そして、今回の実験が1957年に当時のソビエトが人類初の人工衛星「スプートニク」を打ち上げた際のアメリカの衝撃に匹敵するとも指摘されていることについては「それにかなり近いと思う。われわれは極めて注視している」と述べ、中国側の技術力の向上に強い懸念を示しました。

極超音速ミサイルは軌道を変えながら飛ぶことができるため、迎撃がより難しいとされていて、アメリカ軍も関連する技術の実験を今月行うなど、中国の動きを念頭に開発を急いでいますが、ミリー氏の発言は、中国の発射実験がアメリカに与えた衝撃の大きさを物語っています。

中国 “あくまで宇宙船の実験”

中国が音速のおよそ5倍の速さで飛行し、迎撃がより難しいとされる「極超音速ミサイル」の発射実験を行ったと、アメリカ軍が確認したとしていることについて、中国外務省の汪文斌報道官は28日の記者会見で、あくまで宇宙船の実験だったと改めて主張しました。

そのうえで「アメリカには何かというと中国のことを取り立て、中国を仮想の敵とみなすことをやめ、冷戦思考を捨てて中国の国防や軍隊の建設を客観的かつ理性的に見るよう忠告する」と述べました。