ブラジル “大統領のコロナ対策が不適切” 議会が訴追請求決定

南米ブラジルの議会上院は、ボルソナロ大統領が、新型コロナウイルスのワクチン購入の提案を放置するなど、適切な対策を取らなかったことが死者の増加を招いたとして、大統領の訴追を求めることを決めました。

新型コロナウイルスに感染して亡くなった人が60万人を超え、世界で2番目に多いブラジルでは、議会上院がボルソナロ大統領が進めてきた感染対策が適切だったかどうか、ことし4月から特別委員会を設けて調査を進めてきました。

委員会がまとめた調査報告書によりますと、ボルソナロ大統領は、ウイルスの脅威を軽視してマスクの着用や外出の自粛などに反対したと指摘しています。

そして、ファイザー製ワクチンの購入に関する会社側からの提案を3か月にわたって放置するなど、ワクチンの確保の遅れが死者の増加を招いたとしています。

委員会は26日、報告書を賛成多数で承認し、予防的な衛生措置の違反や人道に対する犯罪など9つの罪でボルソナロ大統領の訴追を求めることを決めました。

一方、ボルソナロ大統領は報告書について「人々の時間を奪い、憎しみを生んだだけだ。われわれに責任は一切ない」などと主張しています。

大統領を訴追するかどうかは今後、検察庁の長官が判断することになっていて、検察の対応が焦点となります。