この冬の電力需給 過去10年間で最も厳しい見通し

この冬の電力需給の見通しは、全国7つのエリアでピーク時の需要に対する電力供給の余力を示す数値が3%台しかなく、過去10年間で最も厳しくなる見通しです。

このため、経済産業省は、家庭や企業にできる範囲での省エネを呼びかけることにしています。

この冬の電力需給の見通しについて、経済産業省は26日の有識者会議で示しました。

需給の見通しは、ピーク時の電力需要に対する供給の余力を予備率という数値で見ます。

それによりますと、厳しい冬を想定した場合、来年2月の予備率は、東京電力管内で3.1%、中部や関西、九州など6つのエリアで3.9%と、厳しい状況になります。

7つのエリアが3%台となるのは、過去10年で最も厳しいものとなります。

このほか、東北は4.4%、北海道は7%、沖縄は33.8%となっています。

経済産業省は、発電所のトラブルやLNG=液化天然ガスなどの燃料の不足によって、需給がひっ迫するおそれもあるとして、家庭や企業にできる範囲での省エネを呼びかけることにしています。

また、電力会社に対しては、発電設備の保守管理を徹底するとともに、LNGなどの在庫を十分に確保するよう求めています。

萩生田経済産業相「電力の安定供給に向け対応」

萩生田経済産業大臣は、この冬の電力需給について「安定供給に必要な供給力はかろうじて確保できるものの、かなり厳しい見通しとなっている」と述べました。

そのうえで、国として電力の安定供給の確保に万全を期すため、発電事業者の燃料の在庫を監視するとともに、事業者は公募で追加の燃料調達を行うようにするなど、官民で電力の安定供給に向けて対応する考えを示しました。

また、このところ原油価格が上昇しています。

25日のニューヨーク原油市場では、国際的な取引の指標となるWTIの先物価格が一時、1バレル=85ドルを超えて、およそ7年ぶりの高値を更新しました。

原油高について、萩生田大臣は25日夜、UAE=アラブ首長国連邦のエネルギー担当相と電話で会談し、市場の安定に向けて増産を働きかけたことを明らかにしました。

萩生田大臣は「消費国としての日本の立場は理解してもらった。緊密に連携していくことで一致した」と述べました。

電力需給 なぜ厳しい?

電力需給が厳しい見通しとなっている背景には、火力発電所の供給力が落ちていることがあります。

その大きな要因となっているのは、太陽光発電など再生可能エネルギーの導入拡大です。

それに伴って、電力会社は需給バランスを保つために、再生可能エネルギーによる発電が増える日中の時間帯などは、火力発電の稼働率を落とすため採算が悪化しています。

このため、電力会社の間では老朽化が進んだ火力発電所の運転を取りやめる動きが相次いでいます。

各社では、発電設備の補修時期をずらすなどの対策を取り、供給力をかろうじて確保している状況です。

電気料金はどうなる?

一方、火力発電の燃料となるLNG=液化天然ガスや、石炭の輸入価格が上昇していることなどから、このところ電気料金は値上がりしています。

11月の電気料金について、大手電力各社10社、すべてが値上げすることになっています。

全社で値上げとなるのは3か月連続です。

11月の電気料金の値上がり幅は、使用量が平均的な家庭で、10月と比べて、
▽沖縄電力が171円
▽中国電力が135円
▽東京電力と中部電力が133円
▽東北電力が128円です。

また、
▽四国電力が106円
▽北海道電力が92円
▽関西電力が91円
▽北陸電力が89円
▽九州電力が73円
となっています。

燃料の価格の高騰は続いていて、12月の電気料金も値上がりが見込まれています。

節電 家庭でできることは?

資源エネルギー庁のホームページでは、日常生活に支障のない範囲で電気を効率的に使用するための具体例を紹介しています。

例えば、
▽暖房をつけるときには、ドアや窓の開閉を少なくしたり、厚手で床まで届く長いカーテンを使うことで、熱をできるだけ逃がさないようにすることや、
▽暖房の効果が下がらないよう、室外機の周りにものを置かないことが有効だとしています。

また、
▽照明器具を白熱電球からLEDランプに切り替えること、
▽テレビを見るときに明るさの設定を変えることも、
電気の効率的な使用につながるとしています。

さらに、
▽冷蔵庫内の温度設定を「中」や「弱」にすることや、
▽冷蔵庫で余分なエネルギーを消費しないよう、熱いものをさましてから入れるようにすることも節電につながるとしています。