新型コロナ 5都府県で時短要請など解除 歓迎の一方 慎重な声も

東京や大阪など5つの都府県で25日から飲食店に対する営業時間短縮の要請などが解除されました。
大阪ではおよそ11か月ぶりに全域での解除となり、街では歓迎の一方で慎重な声も聞かれました。

東京、大阪、千葉、神奈川、埼玉の5つの都府県では新型コロナの感染状況が落ち着いているなどとして、25日から飲食店への営業時間の短縮要請が解除されました。

このうち、今月31日の期限を前倒しして解除した大阪は全域での解除は去年11月下旬以来およそ11か月ぶりで、大阪 梅田ではさまざまな声が聞かれました。

20代の会社員の男性は「みんなが外に出られるようになっていいと思いますし、飲食店もずっと自粛していたのでよかったと思います。会食のときは引き続きマスクを着けます」と話していました。

一方、兵庫県尼崎市から通勤している50代の会社員の男性は「私の職場では会合や宴会は禁止のままなので、飲食店に客足が戻るのか心配です」と話していました。

また、京都市から通学している20代の専門学生の女性は「解除されたあとも私はあまり外に出る機会は増えないと思います」と話していました。

大阪府では引き続き、大人数での会食は感染のリスクが高いとして、府の認証を受けている店は1つのテーブルにつく人数を4人以下に、認証を受けていない店は引き続き来店時の人数を4人以下とし、会食の時間はいずれも2時間程度までとするよう要請しています。

客足回復に期待する飲食店も

夜の営業時間を通常に戻し、客足の回復に期待する飲食店もあります。

大阪 港区にあるすし店は、先月末までの緊急事態宣言の期間中は臨時休業し、今月から営業時間を夜9時までに短縮して再開していました。

大阪府の飲食店に対する営業時間の短縮要請が解除されたことを受け、25日から夜11時までの通常営業に戻しました。

店では毎朝、大阪 浪速区の市場で魚などの食材を仕入れていて、今週は先週と比べて仕入れの量をおよそ1.5倍に増やす予定です。

店には以前、仕事帰りの客も多く訪れていたということで25日夜から営業時間を通常に戻すことを店のSNSで発信していました。

今月の店の売り上げは「Go Toイート」のキャンペーンなどがあった去年の同じ月と比べて3分の1ほどに減少しているということですが、この週末にかけて夜の予約が入ってきているということです。

「創作寿司 ひかり」の道上陽輔店長は「楽しみである一方で魚を仕入れてもお客様が来なかったらロスになってしまうので、不安な部分もあります。これまでとても長く感じましたし、もう繰り返したくはないので、飲食店が責められることのないようにしっかり対策を守って営業したいです」と話していました。

磯崎官房副長官「感染対策と日常生活の両立への準備を」

磯崎官房副長官は記者会見で「感染対策と日常生活や経済活動の両立は非常に重要だ。政府としてはワクチン、検査、治療薬などの普及による予防、発見から早期治療までの流れをさらに強化する。また、医療提供体制や公衆衛生体制の強化を進めるなど、冬に向けて次の感染拡大にまずは備えながら『ワクチン・検査パッケージ』など感染対策と日常生活の両立に向けた準備を今のうちから行っていく」と述べました。