コロナ禍で利用者増 電動アシスト自転車 バッテリー盗難相次ぐ

新型コロナウイルスの感染拡大後、人との接触を避けて自転車を利用する人が増えていますが、その一方で、電動アシスト自転車に使われているバッテリーの盗難が各地で相次いでいます。東京都内でのことしの被害は8月までに218件に上り、警視庁などが注意を呼びかけています。

電動アシスト自転車の販売台数は去年およそ73万7000台とこれまでで最も多く、10年間で2.1倍に増加していて、コロナ禍で密を避けるために通勤や買い物などに利用する人がさらに増えています。

電動アシスト自転車にはバッテリーが取り付けられていますが、止めてある自転車から盗まれる被害が相次ぎ、東京都内ではことしに入ってから8月末までに218件の被害が確認されています。

これは、去年の同じ時期に比べて124件多く、去年1年間の被害件数148件を大幅に上回っています。

バッテリーは正規に購入すると3万円から4万円ほどで、消耗品のため3年から4年ほどで買い替える必要があります。
盗まれたバッテリーの多くはネット上で1個数千円から2万円ほどで売られているとみられ、ことし6月に逮捕された容疑者は「大手フリマアプリに出品すると飛ぶように売れた」と供述したということです。

警察や防犯に詳しい専門家は、自転車を長時間止めるときはバッテリーを取り外して家の中などに保管するか、ワイヤーを取り付けて盗難を防いでほしいと呼びかけています。

被害者は

東京 足立区に住む50代の女性は、新型コロナウイルスの感染拡大以降、混雑する公共交通機関の利用を避けようと、電動アシスト自転車を去年購入し頻繁に利用しています。

今月、自転車で娘の家に遊びに行って翌日まで家の前の路上に止めていたところ、バッテリーだけが取り外されてなくなっていたということです。

女性は「バッテリーが盗まれるという話は聞いたことはありましたが、まさか本当に被害に遭うのかと驚きました。電動アシスト自転車に慣れると移動がすごく楽で手軽に出かけられるので、バッテリーを盗まれて乗ることができないときはとても困りました」と話していました。

女性はその後バッテリーを新たに購入したということで、「娘や孫と遊びに行くときに使ったいろいろな思い出が詰まっている自転車で、その一部を盗まれたのはショックです。盗んだ人はきちんと返してほしいです」と話していました。

逮捕者も

電動アシスト自転車のバッテリーが盗まれる被害が増えていることを受けて、警察は警戒を強化していて逮捕者も出ています。

ことし6月には、東京 江東区の集合住宅の駐輪場に止めてあった電動アシスト自転車2台からバッテリーを盗んだとして、40代の容疑者が逮捕されました。

警視庁によりますと調べに対して、「フリマアプリでバッテリーが出品されているのを見て、自分もやろうと思って盗んだ。盗んだバッテリーを1万円から2万円で出品すると飛ぶように売れた」と供述したということです。

また、他にもバッテリーおよそ20個を盗んだ疑いがあり、それを売った金で生活していたということです。

被害増加 利用者は

電動アシスト自転車の販売台数は去年1年間におよそ73万7000台に上り、これまでで最も多くなっています。

去年までの10年間で2.1倍に増加していて、コロナ禍で密を避けるために通勤や買い物などに利用する人がさらに増えています。

バッテリーが盗まれる被害が相次いでいることについて、利用者に聞きました。

1歳と4歳の子どもがいる38歳の女性は「子どもを2人乗せて近所を行き来したり送り迎えしたりするので、便利で毎日使っています。電動自転車で移動する時間を計算して家を出ているので、バッテリーがなくなるととても困ります」と話していました。

また、65歳の女性は「坂を登るとき、電動の自転車だとひとこぎでスーッと走れるので便利です。バッテリーに鍵を付けようか検討しています」と話していました。

62歳の男性は「足が悪いのですが、電動アシスト自転車だと強く踏まなくても楽に長距離を走れるので、行動範囲も広がります。バッテリ-を狙われたら防ぎようがないとも思ってしまいます」と話していました。

自転車販売店にも相談相次ぐ

電動アシスト自転車のバッテリーが盗まれる被害が相次いでいることを受けて、自転車販売店にも相談が相次いでいるということです。

東京 世田谷区にある電動アシスト自転車を多く扱っている店では、特に先月以降客からの相談が急増し、店頭に注意を呼びかける貼り紙をしたりバッテリーと自転車をつなぐワイヤーなどの防犯グッズを紹介したりしています。

店によりますと、最近は商品を仕入れてもすぐに売り切れるほど需要が多くなっているということです。

販売店の山崎佑馬統括店長は「面倒かもしれないが、自転車を止めるときにはバッテリーを取り外して、家の中などで保管してもらうと安全だ。外出先などで難しい場合は、バッテリーを取り外せないようにする専用の器材を買うなどして、対策を徹底してほしい」と話していました。