米 FRB議長「供給制約とインフレ 長引く可能性」警戒感示す

アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は、新型コロナウイルスをきっかけにした供給網=サプライチェーンの混乱が解消されず、物価が上昇していることについて「予想よりも長引く可能性が高い」と述べ、事態が長期化するリスクに警戒感を示しました。

FRBのパウエル議長は22日、オンラインのフォーラムに参加し、新型コロナウイルスをきっかけにした供給網=サプライチェーンの混乱が解消しないことについて「供給の制約は改善するどころかむしろ悪化している。労働力の不足も続いている」と述べ、問題が深刻になっているという認識を示しました。

そのうえで、パウエル議長は供給網の混乱による品不足で物価が上昇していることについて「供給制約とインフレはこれまでの予想よりも長引く可能性が高く、来年にかけて続くだろう」と述べ、事態が長期化するリスクに警戒感を示しました。

一方、パウエル議長は新型コロナの危機対応として続けている量的緩和の規模の縮小を来月はじめの会合で正式に決める方針を示しましたが、金融の引き締めにあたる利上げについては時期尚早だとしました。