7月までの「超過死亡数」例年を上回る 新型コロナ影響か

新型コロナウイルスによる影響を調べるため厚生労働省の研究班が、ことし1月から7月までの全死者数を「超過死亡」という手法で分析したところ、例年を上回る水準となっていたことが分かりました。

この分析は、国立感染症研究所などで作る厚生労働省の研究班が行い、今月20日に開かれた厚生労働省の専門家会合の中で示されました。

感染症が流行すると、報告される死者数以外にも医療のひっ迫など、間接的な影響で死者が増えることがあります。

研究班では、新型コロナによるこうした影響を調べるため、過去のデータから統計的に推定される死者数を実際の死者数がどれだけ上回ったかを示す「超過死亡」と呼ばれる手法で、ことし1月から7月までのすべての死因を含む死者数を分析しました。

その結果、この期間の全国の「超過死亡数」は、6352人から3万4483人となり、過去4年間の同じ時期の水準を上回っていました。

この期間に新型コロナによる死者として報告されたのは、全国で1万1525人でした。

また、流行の第5波となっていたことし7月だけをみても、北海道や福島県、それに神奈川県など、14の道と県で過去4年間の7月の水準を上回っていたということです。

分析した国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長は「新型コロナの流行が原因の1つとみられ、特に超過死亡数が多い地域では医療のひっ迫が影響した可能性がある」としています。