専門家が語る感染者急減の要因 “ワクチン接種と感染対策” か

新型コロナウイルスの感染者数が急速に減少していることについて、大阪大学医学部感染制御学の忽那賢志教授は「7月下旬の連休以降、1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す『実効再生産数』の値は減少に転じていて、そのころから増加のペースにはブレーキがかかっていた。人々が日々の生活の中で感染対策を徹底したことに加えて、ワクチン接種が進み、感染がより広がりにくい状況になったことも減少の要因と考えられる。感染を山火事に例えると、ワクチン接種は木にあらかじめ水をかけるようなもので、水でぬれた燃えにくい木が増えれば、山火事が収まるスピードも早くなる」と説明しました。

また、今後の見通しについては、ワクチンの接種率が高い国でも若い人を中心に感染者数が再び増加しているところがあるとしたうえで「これから冬を迎え、気温と湿度が下がってコロナウイルスの感染が広がりやすい環境になる。さらに、私も含めて早めにワクチン接種を受けた人は半年以上が経過するので、感染予防効果が下がっているおそれもあり、注意が必要だ」と話しました。

そして今後、必要な対策については「おそらく第6波は第5波よりも亡くなる人や重症者の割合は減ると考えられるので、軽症・中等症や宿泊療養の体制を充実させることに対策の重点を置くべきだ。第4波の時のように、医療にかかれないまま自宅で亡くなる人が出ないよう、医療の目が行き届くところで療養してもらうことが大切だと思う」と指摘しました。

また感染者数の減少を受けて、各自治体が飲食店などへの営業時間の短縮要請の解除などを決めたり、検討したりしていることについて「例えば大阪では感染して亡くなる人の割合が第4波では2.8%だった一方、第5波では0.2%と、およそ10分の1になっていて、新型コロナの脅威は以前より小さくなりつつあるとも言える状況だ。経済活動を少しずつ元に戻していけるか、検証を行うには、今はよい時期だと思う」と評価しました。

一方、解除に向けた注意点として「ワクチン接種をしても感染するリスクはある。今後も、マスクや三密の回避などに加え、飲食店などは感染対策をしているところを利用するなど、これまでどおり基本的な対策を続けてほしい」と呼びかけていました。