鉄道ファンに狙い 苦境の鉄道各社 ホテルと連携し新サービス

新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた鉄道各社の間では、系列のホテルで鉄道事業と連携した新たなサービスを提供し、鉄道ファンを呼び込もうという動きが広がっています。

東京・浅草にある私鉄大手、東武鉄道の系列のホテルは、今月、運転士が実際に訓練で使うシミュレーターを備えた客室をオープンしました。

モニターには、東武東上線沿線の風景がコンピューターグラフィックスで映し出され、本物と同じ運転台の操作を体験できるようになっていて、ハンドルから手が離れると事故を避けるために非常ブレーキがかかる機能なども再現されています。

このホテルは、去年10月に開業しましたが、感染拡大で当初見込んでいた外国人観光客の需要がなくなったため、新たなサービスで鉄道ファンを呼び込みたい考えです。

浅草東武ホテルの篠田正治総支配人は、「鉄道会社の系列ホテルならではのサービスでお客様に喜んでいただきたい。鉄道ファンだけではなくご家族で一緒に部屋にこもって楽しんでほしい」と話していました。

このほか、西武鉄道は、駅と直結している東京・新宿区のホテルで駅員の仕事を体験できる宿泊プランを始めているほか、東急電鉄は、高校生が作成し全国大会で最優秀賞を受賞した鉄道のジオラマを置いた客室を作るなど、系列のホテルで鉄道事業と連携したサービスを提供し、新たな客層を開拓しようという動きが広がっています。