新型コロナ感染者数 ことし最も少ない水準 北海道などやや増加

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、ほとんどの都道府県では減少が続き、全国の感染者数はことしに入って最も少ない水準となっていますが、9月末まで緊急事態宣言が出されていた北海道などではやや増加しました。
専門家は、「これから秋冬を迎えるという季節的な要因もあり、今の時期にどこまで下げられるか、下げた状態を維持できるかが非常に重要だ」と話しています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数を元に、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国 7週連続で減少

全国では、ことし8月末から新規感染者数が減少に転じ、
▼9月16日までの1週間は前の週に比べて0.55倍、
▼9月23日は0.50倍、
▼9月30日は0.55倍、
▼10月7日は0.55倍、
▼14日まででは0.61倍と7週連続で減少しています。

1日当たりの新規感染者数は634人と、去年10月下旬と同じ程度でことしに入って最も少ない水準となっています。

また、新規感染者数は39の都道府県で減少していますが、9月末まで緊急事態宣言が出されていた北海道などではやや増加しました。

1都3県 7週~8週連続で減少

東京都は
▼9月30日までの1週間は前の週の0.47倍、
▼10月7日は0.60倍、
▼14日まででは0.50倍と8週連続で減少しています。

1日当たりの新規感染者数はおよそ77人、直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は3.88人で、ことしに入って最も少ない水準となっています。

神奈川県は
▼9月30日までの1週間は前の週の0.51倍、
▼10月7日は0.52倍、
▼14日は0.66倍と7週連続で減少していて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ57人となっています。

埼玉県は
▼9月30日までの1週間は前の週の0.59倍、
▼10月7日は0.53倍、
▼14日は0.46倍と8週連続で減少していて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ32人となっています。

千葉県は
▼9月30日までの1週間は前の週の0.56倍、
▼10月7日は0.56倍、
▼14日は0.54倍と7週連続で減少していて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ30人となっています。

沖縄県 8週連続で減少

沖縄県は
▼9月30日までの1週間は前の週の0.53倍、
▼10月7日は0.43倍、
▼14日は0.77倍と8週連続で減少していて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ23人となっています。

直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は10.94人で、全国で最も多い状態ですが、感染拡大の「第5波」のピークだった8月中旬のおよそ30分の1に減少しています。

北海道 6週連続で減少後 1.32倍と増加

北海道は
▼9月30日までの1週間は前の週の0.65倍、
▼10月7日は0.41倍と6週連続で減少していましたが
▼14日までの1週間では1.32倍と増加し、
1日当たりの新規感染者数はおよそ23人となっています。

関西 6~7週連続で減少

大阪府は
▼9月30日までの1週間は前の週の0.61倍、
▼10月7日は0.57倍、
▼14日は0.65倍と6週連続で減少していて、
1日当たりの新規感染者数は112人となっています。

京都府は
▼9月30日までの1週間は前の週の0.58倍、
▼10月7日は0.57倍、
▼14日は0.67倍と7週連続で減少していて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ17人となっています。

兵庫県は
▼9月30日までの1週間は前の週の0.58倍、
▼10月7日は0.57倍、
▼14日は0.54倍と7週連続で減少していて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ38人となっています。

中部 6~7週連続で減少

愛知県は
▼9月30日までの1週間は前の週の0.48倍、
▼10月7日は0.45倍、
▼14日は0.52倍と6週連続で減少していて、
1日当たりの新規感染者数は35人となっています。

岐阜県は
▼9月30日までの1週間は前の週の0.66倍、
▼10月7日は0.66倍、
▼14日は0.79倍と7週連続で減少していて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ17人となっています。

三重県は
▼9月30日までの1週間は前の週の0.52倍、
▼10月7日は0.61倍、
▼14日は0.80倍と7週連続で減少していて、
1日当たりの新規感染者数はおよそ7人となっています。

専門家「減少傾向しっかりと続いている状況」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は感染者数が低い水準となっていることについて「緊急事態宣言の解除から2週間を迎えているこの時期でも先週、今週の比較では全国的には1を切っていて減少傾向はしっかりと続いている状況だ。北海道など8つの地域では増加となったが、感染者数が下がりきった中では少しの増加でも先週、今週の比較で1を超えることがあり、今の段階ではリバウンドの兆候ははっきりとは見られない。ただ、こうした状況が何週間も続くようであれば、リバウンドの兆候として非常に気をつけなければいけない。兆候が見られた段階で、期間限定でもいいので地域ごとに早めに次の対策を取ることが重要だ」と話しています。

「秋冬を迎え再び増加傾向 今の時期 どこまで下げられるか」

今後については「今は感染者数が順調に下がってきて、減少傾向が続いているがどこかで下げ止まることになる。これから秋冬を迎えるという季節的な要因もあり、再び増加傾向になることを考えておかなければならない。今の時期にどこまで下げられるか、下げた状態を維持できるかが非常に重要だ。ワクチンの接種率を少しでも高めた上でワクチンを打った人も、打っていない人も基本的な感染対策をしっかり維持できるのかが大事になってくる」と指摘しました。

また、第5波の感染者数が急速に減少した理由については「いくつかの要因が重なっていると思うが、この中でも特に64歳以下のワクチンの接種が7月8月9月の3か月間で急激に進んだ。今では65%を超える人が2回の接種を終え、74%の人が1回目の接種を終えるなどワクチン接種が進んで、抗体価の高い人が一気に増えてきたことが感染者の減少につながったと考えられる」と説明しました。