結核で死亡 2005年以来初の増加に転じる 背景に新型コロナ WHO

WHO=世界保健機関は、新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制がひっ迫するなか結核の診断や治療が遅れる事態が相次ぎ、去年、結核で亡くなった人の数が2005年以来初めて増加に転じたと明らかにしました。

前年比 10万人余増加

WHOは14日、世界の結核患者の状況をまとめた最新の報告書を発表しました。

それによりますと、去年、世界で結核で亡くなった人の数はおよそ150万人で、前の年に比べて10万人余り増加したと推計しています。

結核で亡くなる人の数は年々減少していましたが、前の年に比べて増加に転じるのは2005年以来だということです。

背景について、WHOは、新型コロナウイルスの感染が拡大する中、多くの国で医療体制がひっ迫して結核の診断や治療が遅れたり、対策に必要な予算が削られたりしていることがあるとしています。

WHOのテドロス事務局長は、結核は予防と治療ができる病気にもかかわらず、対策の遅れが原因で多くの命が奪われているとして、新型コロナウイルスの感染が続く中でも対策を急ぐよう呼びかけました。