拉致被害者 蓮池薫さん “現状に危機感” 帰国から19年

北朝鮮に拉致された被害者のうち5人が帰国して、15日で19年です。その1人、蓮池薫さんがNHKのインタビューに応じ、ほかの拉致被害者について進展がない現状に危機感を示すとともに、政府に取り組みの強化を求めました。

“今も健在な2人が娘さんと再会できるように”

昭和53年に北朝鮮に拉致された蓮池薫さんは、19年前の15日、24年ぶりに帰国を果たしました。

NHKのインタビューに応じた蓮池さんは「年を重ねるにつれ、19年たったことよりも、残されたほかの被害者が帰国できていないことへの思いが強くなっている。残された人の精神的負担は計り知れず、この間に何とかできなかったのかという思いだ」と今の心境を語りました。

インタビューの中で蓮池さんが言及したのは、被害者との再会を果たせずに亡くなる親が増え、健在なのは有本恵子さんの父親と横田めぐみさんの母親の2人となったことです。

蓮池さんは「被害者が帰国することのいちばんの意味は親と子の再会なのに、親の世代が先に他界している状況は取り返しがつかないということだ。せめて、今も健在な2人が娘さんと再会できるようにすることが大事だし、そのためにどうするかを政府は考えないといけない」と訴えました。

政府は北朝鮮に“メリットとデメリット”を具体的に

では、一刻も早い解決のために何が必要なのか。

蓮池さんは、核と拉致の問題を切り離し、日朝首脳会談を早期に開くことができるかがポイントだとしたうえで、「政府は『条件を付けずに日朝首脳会談を行う用意がある』としているが、そのひと言では足りない。拉致問題が解決すれば日本として北朝鮮に何ができるかを考え、それを伝えていかなければならない。メリットを具体化しなければ、北朝鮮が日本に関心を示すのはかなり先になってしまう」と指摘しました。

同時に「『被害者の親が存命のうちに帰国が実現しなければ、北朝鮮が望んでいるものを与えることはできない』と政府はもっと伝えるべきだ。そのような認識が北朝鮮の指導部に広がることが必要で、北朝鮮が誠実な対応をした時のメリットと動かない時のデメリット、その両方を具体的に示していく必要がある」と強調し、政府に取り組みの強化を求めました。