東京 調布の道路陥没 “真上以外の場所も工事で地盤緩んだか”

およそ1年前、東京 調布市の住宅街で地下のトンネル工事により、真上にある道路の陥没や地下の空洞が相次いで見つかった問題で、真上以外の場所でも地盤が緩んでいる可能性があることが、専門家による地盤の調査で分かりました。

調布市の住宅街では去年10月以降、道路の陥没や地下の空洞が相次いで見つかり、東日本高速道路が現場の地下で行っていた「東京外かく環状道路」のトンネル掘削工事の影響で地盤が緩んだとみられることが、有識者委員会の調査で明らかになっています。
地盤工学が専門で、芝浦工業大学の稲積真哉教授は先月、トンネルの真上から20メートルほど離れた地点を含む4か所で、深さ5メートル程度までの地盤の状態を調べました。

その結果、もともと軟弱で振動を増幅させやすい表層の地盤の中に、極めて緩い場所があることが分かりました。

その場所を詳しく調べると、深さ1.5メートルから3.5メートル付近で亀裂のような隙間の「空隙」が多数、確認されました。

東日本高速道路は、これまで長さおよそ220メートル、幅16メートルほどのトンネルの真上部分については、工事で地盤が緩んだことを認めていますが、それ以外では「地盤の緩みは発生していない」と説明しています。
稲積教授は「もともと軟弱だった地盤が地下工事の振動でさらに軟弱化し、建物や土台の亀裂につながった可能性がある。対策が不十分だと、再び陥没が起きるおそれもあり、工事の再開にあたっては地盤の調査を行うとともに、必要に応じて、真上以外でも地盤の補修を行うべきだ」と話しています。

東日本高速道路は「トンネル直上の隣接地では地盤の緩みは発生していないと考えているが、仮に緩みが見つかった場合には適切な対応をとりたい」としています。

また東日本高速道路は「住民の不安を払拭(ふっしょく)するため」として、直上周辺以外でもボーリング調査を行うことを決めました。

地下の状況を映像で確認する調査も

稲積教授が行ったのは、地面にロッドと呼ばれる金属の棒を打ち込んで地盤の固さを確認する「ミニラムサウンディング」と呼ばれる調査です。

調査は亀裂が特に多く確認された住宅の敷地を対象に4か所で行われ、ロッドを打ち込む際にどれくらいの抵抗がかかるかを特殊な装置を使って計測します。

抵抗が大きいほど地盤が固いということになります。

調査した4地点はいずれも地下5メートル程度までの表層の地盤が軟弱でした。

こうした地盤では振動を増幅させやすく、中には、ロッドを打ち込む際にほとんど抵抗がない「空洞」のようになっている場所も確認されました。

またカメラの付いた「コーン」と呼ばれる器具を地下に打ち込んで、映像を確認する調査も行われました。

調査した地点の1つでは、地盤に亀裂のような穴「空隙」が多数確認され、稲積教授によりますと、地下1.5メートルから3.5メートルほどでは空洞に近い形になっていると考えられるとしています。

稲積教授は「空隙」と地下で行われた工事との因果関係については断定できないとしたうえで「工事の振動で地盤が軟弱化し、トンネルの真上以外の場所でも亀裂などの被害が広がった可能性がある。詳しい調査を行い、必要であれば対策を行うことが、住民の安全のために必要だ」と指摘しています。