“3歳男児に熱湯かけて殺害” 母親の交際相手を起訴 大阪 摂津

ことし8月、大阪 摂津市で3歳の男の子に熱湯をかけて殺害したとして逮捕された母親の交際相手について、大阪地方検察庁は殺人の罪で起訴しました。

起訴されたのは大阪 羽曳野市の無職、松原拓海被告(24)です。

起訴状などによりますと、ことし8月、大阪 摂津市のマンションで交際相手の女性の長男で、3歳だった新村桜利斗くんの全身に熱湯をかけ続けるなどしてやけどをおわせ、殺害したとして殺人の罪に問われています。

大阪地方検察庁は認否を明らかにしていません。

警察のこれまでの調べでやけどは全身にあり、特に、上半身は皮膚がただれるほどの重い状態で、長時間にわたって熱湯をかけ続けられたとみられるということです。

松原被告は、ことし5月から現場のマンションの部屋で桜利斗くん親子と3人で同居していて、事件当時、母親は外出中で部屋にいたのは2人だけだったということです。

逮捕直後の警察の調べに対し、松原被告は「熱湯を故意に浴びせていません」と話し、否認していたということです。

“左耳にあざ” 情報伝えられるも…

一方、摂津市によりますと、市が事件の前のことし6月、桜利斗くんの左耳にあざがあるという情報を保育所から伝えられたものの、緊急性は高くないと判断していたということです。

市はそれ以前にも、4月に保育所から頭に、たんこぶがあるという通告が寄せられたのに、母親が「原因はわからない」と答えたことから、自分でぶつけたと判断していたほか、5月には母親が市に面談に来た際、「交際相手が子どものほほをたたいてあざが残った」と話し、母親の知人らからもその後、同様の情報提供があったことがわかっています。

摂津市は、「虐待のリスク判断が上がる可能性があった」としたうえで、当時の対応について大阪府の部会などを通じて検証を進めるとしています。

専門家「自分でけがとの判断は不適切」

今回の事件をめぐる摂津市の対応について、児童虐待の問題に詳しい関西大学の山縣文治教授は「けがの情報が複数回あったことや、けがの部位が頭部だったこと、母親がけがの状況を十分に説明できていない状況からすると、緊急性が高いと判断すべきだった。自分でけがをしたと判断したのは不適切だった」と指摘しています。

摂津市は親子が転入してきた3年前からおよそ90回の面談を行っていましたが、山縣教授は「回数はとても多く、きっちりやっていたと思われるかもしれないが、若干ポイントがずれていたり、相手の話を早めに信じていたりして、むだになってしまっている」としています。

そのうえで「役所は人事異動があるため、専門性の面で難しさはあるが、経験の長い人を取り入れていくなどの体制を作っていくべきだ」と話しています。