東京原油市場 3年ぶりの高値水準続く NY市場での値上がり受け

12日の東京原油市場は、ニューヨーク市場で原油の先物価格が一時、およそ7年ぶりの高値まで値上がりした流れを受けて、3年ぶりの高値水準が続いています。

東京原油市場では12日、取り引きの中心となる来年3月ものの先物価格が日中の取り引きで一時、1キロリットル当たり5万5430円となり、2018年10月以来およそ3年ぶりの高値水準となっています。

背景には今月初旬、産油国が来月の生産量の据え置きを決めた一方で、世界的に経済活動の再開が進んで原油の需要が高まり、需給ひっ迫への懸念が広がっていることがあります。

11日のニューヨーク市場では国際的な原油価格の指標となるWTIの先物価格が一時、1バレル=82ドルを超え、およそ7年ぶりの高値となっていて、東京市場でもこの流れを引き継いだ形です。

市場関係者は「冬にかけて暖房の使用も増えていくため原油の先物価格がさらに値上がりする懸念もある」と話しています。

消費者の購買意欲低下も

原油はガソリンをはじめ重油や軽油といった燃料やプラスチック製品などの原料にもなっていて、暮らしに身近なさまざまなモノの価格に影響します。

専門家の間では、このまま原油価格の高騰が続き多くの製品で値上げの動きが広がれば、消費者の購買意欲が低下し新型コロナによる打撃から持ち直そうとしている経済にマイナスの影響を与えかねないという指摘も出ています。

専門家「消費者マインドにも影響 経済活動に水刺す可能性高い」

原油価格の高騰が続いている理由について、日本総合研究所の松田健太郎 副主任研究員は「新型コロナウイルスのワクチンの普及に伴い、各国で経済活動の正常化が進み、原油の需要は引き合いが強い。ただ、OPEC=石油輸出国機構などの産油国が原油の増産ペースを引き上げなかったほか、アメリカでもシェールオイルの生産を増やす動きが遅れていて『原油自体が足りない』という認識が広がっている」と指摘しました。

また、新型コロナによる打撃から持ち直そうとしている日本経済への影響については「企業ではエネルギー価格の上昇や輸入コストの増加によって収益が減少することになる。家計も、ガソリンや暖房のコスト増で購買力を押し下げられるほか、消費者マインドにも影響するため、経済活動に水を刺す可能性が高い」と述べました。

一方、原油市場の先行きについては「各国の経済回復に伴って原油の需要が強い状況になっていて、年末にかけて原油価格の高い水準が続く可能性がある。さまざまな製品への影響を注視する必要がある」という見通しを示しました。