イラク国民議会選挙 開票始まる 米と距離を置く勢力 優勢か

駐留するアメリカ軍が年内に戦闘任務を終える中東のイラクで、国民議会選挙の投票が10日行われ、開票が始まりました。
アメリカと距離を置く政治勢力が優勢とされていて、不安定な治安状況の中でもアメリカ軍の撤退を求める圧力が強まることも予想されます。

イラクの国民議会選挙は10日、首都バグダッドなど全土で投票が行われ、日本時間の11日午前0時に投票が締め切られ、開票が始まっています。

今回の選挙では過激派組織IS=イスラミックステートの掃討作戦のため駐留してきたアメリカ軍が年内に戦闘任務を終えるのを前に、その駐留の是非が争点の1つとなりました。

イラクのメディアなどによりますと、議会の最大勢力でアメリカや隣国のイランと距離を置く多数派のイスラム教シーア派の実力者、サドル師を中心としたグループが優勢と伝えられています。

ただ、シーア派はイランとの関係が深い政党など複数のグループに分かれているほか、少数派のスンニ派やクルド人勢力もそれぞれの支持者を固めていることから、いずれの勢力も単独で過半数を確保するのは困難とみられています。

このため、選挙後の連立交渉で政権の枠組みが決まる見通しです。

連立交渉ではアメリカ軍の駐留に反対する勢力が主導権を握るとみられ、不安定な治安状況が続く中、現実路線をとってきた今のカディミ政権以上に、アメリカ軍の撤退を求める圧力が強まることも予想されます。

投票した人たちは

イラクの首都バグダッドでは10日、過激派組織IS=イスラミックステートなどのテロへの警戒から厳重な警備体制が敷かれる中、投票が行われました。

このうち女性の1人は「イラク人にとっていい未来になればいいです。人々が安心して、安定した国で暮らしたいです」と話していました。

一方で、投票を済ませた男性は「新たな首相には、一刻も早くアメリカが出ていく合意をとってもらいたい。彼らの存在は国にとってマイナスです。外国の部隊がいてはイラクに主権はありません」と述べ、イラク人がみずから国を守るべきだと強調しました。

また、別の男性は「アメリカはアフガニスタンも守れなかったし、イラクもシリアも湾岸諸国も守れない。もし守ってくれると思っているのならばそれは幻想だ」と話していました。