「色鉛筆を使わせて」拘置所の死刑囚が国を提訴 福岡

福岡拘置所に収容されている33歳の死刑囚が、拘置所で色鉛筆を使うことを禁止され絵を描く表現の自由を侵害されたとして、国に規定の取り消しや色鉛筆の使用を求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、宮崎市で家族3人を殺害した罪などで7年前に死刑が確定し、福岡拘置所に収容されている奥本章寛死刑囚(33)です。

法務省が拘置所などでの物品の使用に関する訓令を改正し、ことし2月から色鉛筆が使えなくなったため、絵が描けず表現の自由が侵害されているとして、国の規定の取り消しと色鉛筆の使用を認めるよう求めています。

7日から東京地方裁判所で裁判が始まり、奥本死刑囚側は「鉛筆と5色のシャープペンシルの使用は認められているものの、色を混ぜることなどが難しく、これまでのような表現ができなくなった」と主張しました。

一方、国側は争う姿勢を示しました。

原告側の黒原智宏弁護士によりますと、奥本死刑囚は、1審で死刑判決を受けたあとから色鉛筆を使って絵を描き始め、それを支援者が絵はがきなどにして販売し、遺族への弁償に充てていたということで、「絵を描くことは、反省を深め、償いを実現するために必要不可欠な行為です。これまでと同じように色鉛筆を使って絵を描きたい」と話しているということです。