“コロナ飲み薬”開発の製薬大手幹部「日本でも年内供給を」

新型コロナウイルスの軽症患者向けの飲み薬を開発している製薬大手「メルク」の日本法人の社長らが、NHKのインタビューに応じ、日本国内でも承認申請の準備を速やかに進め、年内の供給を目指す考えを示しました。

インタビューに応じたのは、アメリカの製薬大手メルクの日本法人「MSD」のカイル・タトル社長と白沢博満上級副社長です。

メルクは、今月1日、新型コロナウイルスの増殖を抑える軽症患者向けの飲み薬、「モルヌピラビル」について最終段階の治験で、患者の入院や死亡リスクを半減させる効果がみられたと発表していて、MSDのタトル社長らは日本国内でも承認申請に向けて審査当局と協議を進めていることを明らかにしました。

そのうえでタトル社長は「承認が得られれば、国と契約を結び、必要な分量の薬を速やかに供給できるよう調整している」と述べ、承認申請を迅速に進め、年内の供給を目指す考えを示しました。

これまで日本で承認された新型コロナの軽症患者用の治療薬はいずれも点滴薬で、医師による管理が必要なため、自宅で服用できる飲み薬の開発が期待されていて、会社側では年内に「モルヌピラビル」を世界で1000万人分供給できるとしています。
来年には製造体制を拡大し、2000万人分を供給できる見通しだということで、白沢副社長は「まずはきたる第6波までに流通体制を整え、いずれはインフルエンザと同じように、体調の悪さを自覚したら誰でも近くのクリニックで処方してもらえるよう供給体制を整備したい」と話していました。