吉川元農相 汚職事件 贈賄の大手鶏卵生産会社元代表に有罪判決

吉川貴盛元農林水産大臣に現金500万円の賄賂を渡したとして、贈賄などの罪に問われている大手鶏卵生産会社の元代表に、東京地方裁判所は「農林水産行政などに対する国民の信頼を大きく害した」と指摘して懲役1年8か月、執行猶予4年の判決を言い渡しました。

広島県福山市に本社がある大手鶏卵生産会社「アキタフーズ」の元代表秋田善祺被告(87)は、農林水産大臣だった吉川貴盛被告(70)に、おととしまでの2年間に合わせて現金500万円の賄賂を渡したなどとして、贈賄などの罪に問われました。

判決で、東京地方裁判所の向井香津子裁判長は「国際的な飼育環境の基準『アニマルウェルフェア』の考え方をもとにした飼育方法が採択されれば、養鶏業者の経営が壊滅的な打撃を受け、卵の安定供給にも悪影響が生じると懸念し、現職の大臣に現金を渡すことで、重要な政策判断に強い影響を及ぼそうとした」と指摘しました。

そのうえで「農林水産行政や国政などに対する国民の信頼を大きく害した。社会的悪影響は大きい」として、懲役1年8か月、執行猶予4年の判決を言い渡しました。

一方、収賄の罪に問われている吉川元大臣は裁判が続いていて「政治献金だと受け止めていた」と無罪を主張しています。

松野官房長官「コメント控える」

松野官房長官は、6日午前の記者会見で「裁判所の判断について、政府としてコメントすることは差し控えたい」と述べました。

その上で「農林水産省の幹部職員が、国家公務員倫理規程上の利害関係者にあたる大手鶏卵生産会社の元代表と、自己の負担をせずに飲食をしていた件については、ことし2月に職員の処分を行った。農林水産省では、改めて服務規律の徹底を図るとともに、利害関係者との飲食に関する独自の届け出ルールの設定や、全幹部職員を対象とした研修を実施したところで、こうした取り組みをさらに徹底していくことが重要だ」と述べました。