車運転のリハビリ 病院屋上に電動カートのコース 長野 飯田

新型コロナウイルスの影響で外出の自粛が求められる中、長野県飯田市の病院では、屋上に電動カートを運転できるコースが完成しました。脳の機能に障害がある患者に車の運転のリハビリをしてもらうねらいがあります。

飯田市の健和会病院は、事故や病気などで脳が損傷し、記憶力や思考力が低下するなどの後遺症が残る「高次脳機能障害」の患者のリハビリの一環として、車を運転するための支援も行っています。

そのひとつとして、自動車学校での実技訓練を行ってきましたが、新型コロナの影響で病院が患者に外出しないよう求めているため、運転技能などの訓練ができるように、屋上にコースを設置しました。

横断歩道や信号機、それにクランクなどがある1周およそ80メートルのコースで、患者は電動カートに乗って、作業療法士に付き添われながら、運転に必要な技能や危険を察知する注意力などを養うということです。

コースを走った70代の女性患者は「コロナの感染などいろいろなことを心配せず病院でリハビリできることは、安心だしうれしいです。安全に運転できるよう、しっかり訓練したいです」と話していました。

健和会病院の福村直毅医師は「高次脳機能障害の患者は今の自分の能力を把握することが大切で、それを手助けすることが私たちの役割です。訓練を通じて車を運転できるという自信につなげてほしい」と話していました。