ノーベル賞 4日から受賞者発表 2年ぶりとなる日本人受賞は

ことしのノーベル賞の受賞者の発表が4日から始まります。日本人としてはこれまでアメリカ国籍を取得した人を含め27人が受賞していて、2年ぶりの受賞があるのか注目されます。●各賞ごとに注目される日本人をまとめました。

「人類に最大の貢献をもたらした人々」に贈られる賞

ノーベル賞は、ダイナマイトを発明したスウェーデンのアルフレッド・ノーベルの遺言に基づいて「人類に最大の貢献をもたらした人々」に贈られます。

ことしの受賞者の発表は
4日が「医学・生理学賞」
5日が「物理学賞」
6日が「化学賞」
7日が「文学賞」
8日が「平和賞」
11日が「経済学賞」となっています。

医学・生理学賞

このうち、医学・生理学賞は大きく分けて、生命の仕組みを明らかにする基礎科学と、患者の治療など実際の医療現場で貢献する成果を上げた人たちに贈られます。

日本人ではこれまでに5人が受賞していて、ほかにも「ノーベル賞級」とされる業績を上げた人たちがいます。

このうち、受賞者の多くがその後、ノーベル医学・生理学賞を受賞するとされる、アメリカの「ラスカー賞」をこれまでに受賞しているのが、京都大学 教授の森和俊さんと、東京農工大学 特別栄誉教授の遠藤章さんです。

森さんは、「小胞体」と呼ばれる細胞の中にある器官が不良品のたんぱく質を修復したり分解したりする仕組みを解明しました。

遠藤さんは血液中のコレステロールを下げる「スタチン」という物質を発見し、その物質をもとにした治療薬は「世界で最も売れた薬」と呼ばれるようになり、多くの人の命を救っています。

また、アメリカの学術情報サービス会社「クラリベイト・アナリティクス」は先月、ノーベル賞の受賞が有力視される研究者として、大阪大学特任教授の岸本忠三さんと、量子科学技術研究開発機構理事長の平野俊夫さんを選びました。

岸本さんと平野さんは、免疫の過剰な反応を引き起こす「インターロイキン6」というたんぱく質を発見し、この研究をもとに関節リウマチの治療薬が開発・販売され、新型コロナウイルスの治療にも効果があるのではないかと治験が行われています。

物理学賞

物理学賞はこれまで日本から11人が受賞していますが、対象となるテーマが宇宙に関する発見や、物質の性質に関する研究、それに素粒子に関わる成果などに大きく分けることができます。

おととしと去年はいずれも宇宙に関する発見だったため、ことしは物質の性質や素粒子に関する成果になるとみる専門家もいて、重要な成果をあげた研究者が日本にも複数いることから注目されています。

化学賞

化学賞はこれまで日本から8人が受賞していますが、ほかにも「ノーベル賞級」とされる成果を挙げている日本人研究者は多くいます。

このうち、東京大学 卓越教授の藤田誠さんは分子どうしがひとりでに結び付く「自己組織化」と呼ばれる現象の研究で国内外で高く評価されています。

京都大学 特別教授の北川進さんは「多孔性金属錯体」という特定の気体を貯蔵できる材料の合成で世界的に注目されています。

また、「クラリベイト・アナリティクス」は受賞が有力視される研究者の1人として複数の分子を思いどおりの構造や機能を持つようにつなぎ合わせる「精密ラジカル重合」という手法を確立した京都大学名誉教授で中部大学先端研究センター教授の澤本光男さんの名前を挙げています。

文学賞

文学賞で注目されるのは、作品が50以上の言語に翻訳され世界中で読まれている村上春樹さんです。

これまでにチェコの「フランツ・カフカ賞」や、デンマークの「アンデルセン文学賞」など、海外の賞を複数受賞していて、毎年、イギリスの「ブックメーカー」が行っている受賞者を予想する賭けでは“最有力候補”の1人となっています。

また、40年近くドイツで暮らし日本語とドイツ語で小説を執筆している多和田葉子さんも、2018年にアメリカの「全米図書賞」の翻訳文学部門に選ばれるなど注目されています。

日本人の受賞はこれまで、アメリカ国籍を取得した人を含めて27人、このうち2000年以降でみると19人でおととし化学賞を受賞した吉野彰さん以来となる2年ぶりの受賞があるか注目されます。

ことし12月のノーベル賞の授賞式は、新型コロナウイルスの影響で去年と同じく、メダルや賞状の授与は受賞者が居住する国で行われる見通しです。