アストラゼネカのワクチン 1回目の接種後3人に2人が けん怠感

アストラゼネカの新型コロナウイルスのワクチンでは、1回目の接種を受けた人のおよそ3人に2人にけん怠感が見られたことが国の研究班の調査で分かりました。

厚生労働省の研究班は、ことし8月以降に全国8か所の医療機関でアストラゼネカのワクチンの1回目の接種を受けた179人について接種後の症状を分析しました。

それによりますと、「全身のけん怠感」が66%、「頭痛」が51%、37度5分以上の「発熱」が47%の人で見られたということです。

症状は接種の翌日と翌々日に特に多く、「けん怠感」は▽翌日が61%で、▽翌々日は33%、「頭痛」は▽翌日が43%で、▽翌々日は26%、「発熱」は▽翌日が45%で、▽翌々日は7%でした。

これらの症状は若い年代ほど多く見られたということです。

アストラゼネカのワクチンの副反応について国の調査結果が公表されたのは初めてです。

国の研究班の代表で順天堂大学医学部の伊藤澄信客員教授は「ほかの新型コロナウイルスのワクチンでは2回目の接種後のほうが症状が出やすいが、アストラゼネカのワクチンは1回目のほうが発症しやすいというデータが治験で示されている。引き続き調査をして副反応の実態を明らかにしたい」としています。

ワクチン接種後の症状 最新状況(10月1日 厚労省)

厚生労働省は、新型コロナウイルスワクチンの接種後の症状について、今月1日に最新状況を公表しました。

それによりますと、先月12日までにアストラゼネカのワクチンの接種を受けた人は2万8997人で、接種後に死亡が確認された人はいませんでした。

一方、ファイザーかモデルナのワクチンを接種後に死亡が確認された人は合わせて1190人でした。

▽ファイザーが100万人当たり17.2人、▽モデルナが100万人当たり2.4人で、「接種と因果関係がある」と結論づけられた事例はないということです。

このほか、アストラゼネカのワクチンの接種を受けた40代の男性1人が国際的な指標に基づいて血小板の減少を伴う血栓症を発症したと報告されました。

情報不足などのため接種との因果関係は評価できていないということです。

100万回当たりにすると、▽アストラゼネカが24件、▽ファイザーは0.2件で、▽モデルナは0件でした。

また、心臓の筋肉や膜に炎症が起きる「心筋炎」や「心膜炎」の疑いがあると報告された人は、▽アストラゼネカのワクチンが0人で、▽ファイザーが100万人当たり1.9人、▽モデルナが100万人当たり2.4人でした。

若い男性に多く、▽ファイザーでは20代が最多で100万人当たり13.1人、▽モデルナは10代が最多で100万人当たり21.6人でした。

厚生労働省は、現時点で接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとして引き続き接種を進めることにしています。