緊急事態宣言解除後 初の週末 観光地には家族連れ

緊急事態宣言が解除されて初めての週末となる2日、各地の観光地には多くの家族連れなどが訪れています。
施設側では入場者を制限するなど感染対策を行いながらの営業となっています。

東京スカイツリーでは

東京スカイツリーでは、ことし4月以降、臨時休業や営業時間を短縮する対応をとりましたが、緊急事態宣言の解除を受けて、1日から半年ぶりに営業時間を通常どおり午後9時までに戻しました。
宣言が解除されて初めての週末となる2日は、地上350メートルの展望台からの景色を楽しもうと家族連れなどが訪れました。

江戸川区から2歳の男の子を連れてきた20代の父親は「今まで近くの公園ばかりで遊んでいましたがきょうは少し遠出して出かけてみました」と話していました。

東京スカイツリーでは、新型コロナウイルスの感染予防のため、展望台では20分に1回空気を入れ替え、入場者数は2割から3割程度に制限する対策をこれまでどおり続けることにしています。

東京スカイツリーを運営する「東武タワースカイツリー」の大和雅幸課長は「5月のゴールデンウィークや夏休み期間など集客が見込める時期に新型コロナの影響を受けました。これからは秋の行楽シーズンということで感染対策をとりながらお客様が安心して楽しめる施設であるよう心がけ、お客様が訪れることを期待したい」と話していました。

東京 銀座の歩行者天国は

東京・銀座の歩行者天国は新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、ことしの4月17日から中止されていましたが、緊急事態宣言の解除を受けておよそ半年ぶりに再開されました。

2日の東京都心は朝から青空が広がって真夏日となり、買い物を楽しむ人や歩行者天国となった車道の真ん中で写真を撮る親子連れの姿が見られました。

家族でランチに訪れた30代の女性は「歩行者天国が再開されたと知らずに来たので、開放的で驚きました。飲食店にビールのグラスが並んでいて感動しました」と話していました。

千葉県から友達と訪れたという40代の女性は「およそ1年ぶりに友達と集まってごはんを食べました。宣言が明けても生活は今までと変えず、きょうも夜は早めに帰ります」と話していました。

銀座通連合会の齋藤充理事長は「久しぶりの再開ですが天候にも恵まれうれしいのひと言です。感染対策に気をつけながらこれからも歩行者天国を続けられたらと思います」と話していました。

大阪 あべのハルカスでは

地上60階建て、高さ300メートル、大阪・阿倍野区にある日本一高いビル「あべのハルカス」は、緊急事態宣言を受けて58階から60階にかけての展望フロアの営業時間を午後8時までに短縮していましたが、宣言の解除を受けて1日から午後9時までに延長しました。

解除後、初めての週末を迎えて、展望フロアには午前中から観光客などが訪れ、入り口で消毒や検温を済ませると、日本一高いビルからの秋晴れの景色を楽しんでいました。

広島県の50代の女性は、「緊急事態宣言が明けたのでおよそ2年ぶりに弟に会いに大阪に来ました。観光を楽しんでいきます」と話していました。

「あべのハルカス」の広報担当者によりますと、宣言期間中の先週と比べて人出はやや増えているということです。

展望フロアでは専用のカメラで人出をチェックしており、フロア内の人数が300人を超えたと判断した場合は、入場制限を行うということです。

札幌市時計台では

札幌市時計台は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて7月下旬から休館していましたが、宣言の解除を受けて1日から館内の見学を再開しています。

2日は、道外から訪れた観光客などが館内に展示されている資料を見て回ったり、記念写真を撮ったりしていました。

富山から訪れた60代の男性は「宣言の期間中は多くの施設が閉まっていて残念でしたが、宣言が解除されたおかげで見学できるようになってよかったです」と話していました。

東京から訪れた20代の男性は「マスクの着用や手洗い、うがいはしています。こうした場所にはほかの人も多くいるので、ソーシャルディスタンスを取るように気をつけています」と話していました。

福岡から訪れた80代の女性は「感染対策のためマスクやウェットティッシュをいつもポケットに入れるようにしています。旅行から帰ってもすぐ友達に会ったりせず、しばらくは様子を見ようと考えています」と話していました。

旭山動物園では

北海道旭川市の旭山動物園は、緊急事態宣言に伴い8月下旬から臨時休園していましたが、宣言の解除を受けて、1日、およそ1か月ぶりに営業を再開しました。

再開後、初めての週末を迎え、午前9時半に開園すると並んでいたおよそ300人の家族連れなどが次々と入園し、お気に入りの動物たちの見学に向かいました。
このうち、キングペンギンの展示スペースでは、ことし6月にうまれた子どもが体長90センチほどに育ち、茶色い産毛を毛づくろいするかわいらしい姿が人気を集めていました。

旭川市に住む小学4年の女の子は、「動物園に来るのは久しぶりで、ペンギンを見られてとてもうれしい」と話していました。

旭山動物園では、当面は原則として、来園者が密集や密接するイベントを中止するなど、感染防止対策を徹底することにしています。

旭山動物園の松尾英将主査は、「営業を再開して来園者を迎えることができてうれしい。引き続き感染防止対策を徹底していきたい」と話していました。

JR博多駅前では

緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が解除されてから初めての土曜日を迎え、福岡市では久しぶりに外出したとか、今後も気を緩めずに感染対策をとりながら過ごしたいなどといった声が聞かれました。

このうちJR博多駅前では、30代の男性が、「宣言期間中は家の中で過ごすことが多く、きょうは久しぶりに買い物に来ました。第6波も考えられるので、マスクの着用や在宅勤務など感染対策に気をつけて過ごしていきたい」と話していました。

一方、70代の女性は「解除すると人出も多くなるので心配です。もう少し期間を延ばしてもよかったかなと思います」と話していました。

福岡県は、宣言の解除後も独自の措置として飲食店に営業時間や酒を提供する時間の短縮を要請するなどして、感染の再拡大を防ぎたいとしています。

沖縄県石垣市では

沖縄県石垣市から西表島や竹富島などの離島に向かう船が発着する「離島ターミナル」では2日朝、スーツケースを持った人や家族連れなど観光客の姿が多く見られました。

西表島に向かうという福岡県の30代の女性は「宣言が明けて旅行に行きやすくなりました。ここ1年半ほど旅行の機会がなかったので久しぶりにゆっくり過ごしたいです」と話していました。
一方、石垣市内の観光地の1つ、川平湾では、2日昼前、砂浜で写真を撮影する若者や船底が透明になっている「グラスボート」に乗り込む家族連れの姿が見られました。

グラスボートのスタッフの川口紗世さんは「まだ宣言が明けてまもない土曜日の午前中なのでそれほど観光客が戻ってきたという実感はありませんが、これから増えてくることに期待しています」と話していました。