最低賃金 きょうから過去最大の引き上げ 時給平均930円に

都道府県別の最低賃金が1日から順次、引き上げられます。今年度の引き上げ額は全国平均で28円と過去最大となり、時給の平均は930円となります。

最低賃金は企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金で、非正規雇用で働く人の待遇改善などを目的に、今年度の引き上げは都道府県別の労働者数を加味した全国平均で28円と過去最大です。

その結果、最低賃金は都道府県の平均で時給930円となります。

引き上げは、1日は東京や大阪など31の都道府県、2日は静岡や群馬など9つの県、6日は青森や大分など5つの県、7日は石川、8日は沖縄となっています。

引き上げ後の時給を都道府県別でみると、最も高いのは東京で1041円、次いで神奈川が1040円、大阪が992円などとなっています。

また、最も低いのは高知と沖縄で820円、次いで岩手、鳥取、愛媛、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島の8つの県で821円となり、最低賃金はすべての都道府県で時給800円を超えることになります。

一方で新型コロナウイルスの影響が続く中、企業からは「大幅な引き上げで経営への影響や雇用の減少などが懸念される」という声が出ています。

厚生労働省は、中小企業を対象にした助成金の上限額を引き上げるなど支援を強化しています。

中小企業への助成金 上限額引き上げなどで支援強化へ

厚生労働省は、最低賃金の引き上げによる中小企業への影響を減らすため「業務改善助成金」の上限額を引き上げるなど支援を強化しています。

この助成金は、従業員100人以下の事業所で、職場で最も低い従業員の時給と都道府県の最低賃金の差が30円以内の場合が対象です。

時給を引き上げた額や対象の従業員の数に応じて、助成金の金額が決まります。

1人当たりの時給の引き上げ額が20円から90円までの4つの区分がありましたが、ことし8月から新たな支援策で、需要が高いとみられる45円の区分を設けました。

また、賃金を引き上げる従業員の数については「1人」から「7人以上」の4つの区分に加えて、10人以上も新たに設けられ、助成金の上限も引き上げられています。

時給の引き上げ額が90円で、対象の従業員が10人以上の場合は、上限額は450万円から600万円に引き上げられています。

助成金の申請には、生産性を向上させるための設備投資などが必要で、今回、自動車やパソコンなどの購入も新たに補助の対象となっています。

厚生労働省は「助成金の拡充を通じて、企業が賃金の引き上げをしやすい環境を整備していきたい」としています。

加藤官房長官「成長と分配の好循環にも資するもの」

加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で「最低賃金の引き上げは賃上げの原資となる企業の付加価値創出力の強化や、雇用増や賃上げなど所得拡大を促す税制措置などとともに、賃上げの流れを継続し民需主導での早期の経済回復にもつながる、まさに成長と分配の好循環にも資するものだ」と述べました。

そのうえで「新型コロナウイルスの影響が長期化しており、最低賃金の引き上げの中で、中小企業や小規模事業者における事業存続や雇用維持が、しっかりはかっていただけるように、さらに必要な支援策についても検討していきたい」と述べました。