サッカー日本代表戦で「ワクチン・検査パッケージ」実証協力へ

日本サッカー協会は、10月12日にさいたま市で行われる日本代表の試合で、ワクチンを接種済みであることや検査で陰性だったことを証明する「ワクチン・検査パッケージ」の政府の技術実証に協力することになりました。接種済みである人などの座席は別途確保されるため、この試合では上限の1万人を上回る観客を入れることになります。

政府は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出されていた地域での大規模なスポーツイベントでは、宣言などが解除されたあとも1か月程度は経過措置として観客の上限を1万人とするよう求めています。

こうした中、日本サッカー協会は10月12日にさいたま市の埼玉スタジアムで行われるワールドカップアジア最終予選の日本とオーストラリアの試合で、ワクチンを接種済みであることや検査で陰性だったことを証明する「ワクチン・検査パッケージ」について政府の技術実証に協力することになりました。

これを受けて、この試合は観客の上限の1万人を上回る人数を入れて開催されることになります。

日本サッカー協会によりますと、具体的には観客1万人に加えて、2回目のワクチンを接種してから2週間が経過している人と、試合の日からさかのぼって72時間以内にPCR検査を受けて陰性が証明された人を対象に、およそ5000人分の席を用意し、チケットを販売するということです。

これらの人向けの席は、一般販売のものとは分離され、スタジアムへの入り口が異なるほか、利用できるトイレや売店も別になるということです。

「ワクチン・検査パッケージ」内容は

この試合で「ワクチン・検査パッケージ」の対象となるのは、2回目のワクチン接種から2週間を経過した人と、試合の日からさかのぼって72時間以内にPCR検査を受けて陰性だった人です。

具体的には、
▽ワクチン接種済みの人は接種証明書などの書類を当日試合会場に持参し、
▽PCR検査を受ける人は試合3日前の来月9日に国が提供する無料の検査キットを使って陰性であることを確認します。

これが受けられない場合は、10月9日以降に自己負担で医療機関などでPCR検査を受けて陰性証明書を当日持参する必要があるということです。

スタジアムではこれらの人たち向けに、一般販売の人とは離れたゾーンにおよそ5000席を設け、運用上の課題などを探ることにしています。

また、試合当日は来場者のマスク着用率や観客の声の出し方を調査するほか、二酸化炭素の濃度を計測して密集の度合いを確認したり、試合後の自宅への直帰率を調べたりするということです。

日本サッカー協会の須原清貴専務理事は「世の中全体がウィズコロナでどのようにイベントを展開していくかを考える一助になればいい。新しい取り組みなので実際にやってみて、どれくらいの精度で対応できるか見定めながら次につなげていきたい」と話していました。

政府によりますと「ワクチン・検査パッケージ」の技術実証は30日の時点で10月行われる9つのスポーツイベントで実施される見込みで、10月6日に愛知県の豊田スタジアムで行われるサッカーのJリーグカップ準決勝のほか、J1のリーグ戦5試合などで予定されています。