自民党 岸田新総裁が記者会見「人事で中堅・若手を起用」

自民党の岸田新総裁は初めての記者会見に臨み、近く行う党役員人事などでは、河野規制改革担当大臣ら総裁選挙で争った候補のほか、中堅・若手を起用する考えを示しました。また衆議院選挙では、自民・公明両党で過半数の獲得が勝敗ラインになるという認識を示しました。

“強い危機感を持って総裁選挙に真っ先に手を挙げた”

岸田氏は、初めての記者会見に臨み「今から1か月前に総裁選挙への出馬を表明した際、国民の中に『国民の声が政治に届かない』『政治の説明が国民の心に響かない』といった厳しい切実な声があふれていた。今、まさにわが国の民主主義そのものが危機にあるという強い危機感を持って、総裁選挙に真っ先に手を挙げた」と振り返りました。
そのうえで「すばらしい総裁候補とともに、国民の声に耳を澄まし、積極的な政策論争を行ってきた。このことで、自民党が国民政党として国民に寄り添い、自由かったつな政党であるということを示すことができた」と指摘しました。

“今我が国は「国難」 ワンチームとして取り組む雰囲気作る”

さらに「我が国はいま、国難と言われる厳しい状況にある。新型コロナウイルス対策に、これからも、すべてをかけて必死に取り組んでいかなければならない。国民のみなさんが、コロナによって心をバラバラにされてしまっている状況に対して『みんなで頑張ろう』という心をしっかりと取り戻し、ワンチームとして、国難に取り組んでいく雰囲気を作っていかなければならない」と抱負を述べました。

『3つの覚悟』で外交安全保障進め自由で開かれたインド太平洋を

また「外交安全保障について『3つの覚悟』を訴えてきた。民主主義をはじめとする基本的な価値観を守り抜く覚悟、我が国の平和と安定を守り抜く覚悟、そして環境をはじめとする地球規模の課題に貢献することによって、国際社会で存在感を示し、国益を守っていく覚悟だ。この『3つの覚悟』をもとに、外交安全保障政策を進め、自由で開かれたインド太平洋を実現したいと考えている」と述べました。

“今こそ成長と分配の好循環の実現を”

また、年内にも数十兆円規模の経済対策を取りまとめる考えを示した上で、「新しい資本主義を構築していきたい。経済は『成長なくして分配なし』だが、分配がなくては次の消費や需要が喚起されず『分配なくして、次の成長もない』のも事実だと思っている。今こそ、成長と分配の好循環を実現し、全国津々浦々に、成長の果実をしっかり届けていきたい」と述べました。

“特技は『人の話をよく聞く』 国民の声聞き丁寧に答え出す”

「わが国においては少子化問題、人生100年時代を見据えた全世代型の社会保障制度の構築、さらにはICTを活用した個別の教育の推進などさまざまな課題が山積をしている」と指摘しました。

そのうえで「私、岸田文雄の特技は『人の話をよく聞く』ということだ。こうした課題に対して、できるだけ多くの国民の皆さんの声を聞かせていただきながら、1つ1つ丁寧に答えを出していきたい。丁寧で寛容な政治を行い、国民の一体感をしっかりと取り戻していきたい」と述べました。
また総裁選の結果について「党員票では河野規制改革担当大臣が私より多くの票を取ったが、総裁選挙は、党の規程に従って、多くの関係者のコンセンサスのもとで行われた。決選投票で過半数以上の票を得て、勝たせてもらったわけで、ルールに基づいて結果をいただいたことはご理解いただけると思う」と述べました。

自民党役員 閣僚人事について

一方、自民党の役員人事について「できるだけ急ぎたいが、あす1日はかかるのではないか。いずれにせよ作業をこれから進める」と述べました。
その上で「総裁を除く党役員の任期を1期1年、連続3期までとするといった自民党改革に対する思いは1ミリたりとも後退していない。しっかり行っていきたい」と強調しました。

そして党役員・閣僚人事について「中堅・若手の思い切った登用が必要だという思いで人事に取り組んでいきたい。3人の総裁候補にはぜひ党内でその能力をしっかり発揮していただけるようなことを考えていきたい」と述べ、河野氏ら総裁選挙で争った候補のほか、中堅・若手を起用する考えを示しました。

“衆院選 目標は「与党で過半数」”

また、衆議院の解散・総選挙をめぐって「衆議院の解散は、今後、政治状況もしっかり見極めたうえでしかるべき時期を判断していきたい。衆議院選挙の目標は与党で過半数だ」と述べました。

「森友学園」めぐる決裁文書の改ざん問題については

「今のさまざまな政治課題は、国民の協力なく結果を実現することができない時代だと認識している。そういった点から、国民の皆さんにしっかりと政治の説明責任を果たしていきたい」と述べました。
そのうえで「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書の改ざん問題について「行政で調査が行われ、報告書が出されている。また司法において裁判が行われ、民事の裁判も続けられており、その判断を見ていかなければならない。こうした行政や司法の取り組みが行われ、それでもいろいろなご意見や思いがあるならば、今度は政治の立場からしっかり説明していかなければいけない」と述べました。
また「この問題を通じて、何よりも重要なことは公文書の管理だ。これは、国民の行政への信頼の根幹であると思っている。指摘されたことが二度と起こらないよう公文書管理の適正化、そして再発防止は政治の責任として行っていかなければいけない」と述べました。

「河井元議員側への1億5000万円」“確認して説明することに”

さらに、おととしの参議院選挙で自民党本部から河井案里元議員側に1億5000万円が振り込まれたことに関連し「従来から自民党の総裁・幹事長は『裁判で押収されている書類が戻ってきたらそれに基づいて説明する』としてきた。書類が戻ってきて、いま整理している中で、最終的には総務省に報告書が書類を添付した形で出される。これを確認して説明することになる」と述べました。