御嶽山の噴火に学ぶ

御嶽山の噴火に学ぶ
2014年9月27日、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山が、突然噴火。死者・行方不明者は63人にのぼり、「戦後最悪の火山災害」となりました。

問題に挑戦!

この時の噴火の仕組みが、理科の入試問題になっていました。
問題
2014年9月に起こった御嶽山の噴火は『水蒸気爆発』と呼ばれる。水蒸気爆発とは、地下のマグマからの熱により地下水が熱せられて起こる爆発的な噴火である。『水蒸気爆発』とは、水のどのような性質によって起こる噴火か、説明しなさい。
(女子学院中学校 2016年)

水蒸気噴火とは

火山で起こる水蒸気爆発は「水蒸気噴火」とも言います。
噴火の仕組みについて、名古屋大学地震火山研究センターの山岡耕春教授に聞きました。
山岡さんによりますと、水蒸気噴火は、マグマの熱で間接的に温められた水が、爆発的に水蒸気になることで起こります。
「爆発的」とは、どういうことなんでしょうか。
山岡さん
「水が水蒸気になると、1700倍に体積が膨らむんです。水は、普通の大気圧では100℃で沸騰するんですが、山の下だと、山の重さがかかっているために、圧力が高いんです。そうすると、100℃では沸騰せずに、200℃とか300℃くらいで沸騰するような状況になっています。それが、ちょっと不安定になって、いったん道ができてしまうと、どんどん沸騰して、水蒸気を噴き出します」
入試問題の答えが出てきましたね。
「水が水蒸気に変わるとき、体積が大きく増える性質」によって起こるのが、水蒸気噴火です。

石が「噴き上がり、降ってきた」

こちらの写真の石。
2014年の御嶽山の噴火で飛んできた、「噴石」です。
山岡さん
「重さ20キロは優にあるくらいの石が飛んできたようです。火口の、水蒸気を噴き出す辺りにあった石が、勢いでふき飛ばされて、恐らく何百メートルも噴き上がって、落ちてきました。大量の火山灰も同時に出して、その火山灰によって、周りが全く見えなくなったようなんです。その中で石が降ってきたということですから、避けることはすごく難しかったのではないかと思います」
この水蒸気噴火、御嶽山だけでなく、ほかの火山でも起きうるのでしょうか?
山岡さん
「ほかでも起きえます。2018年1月に草津白根山の本白根で、同じような水蒸気噴火が起きています。水は、地球上どこにでもあるし、火山だから、火山の近くには熱源もあるので、水蒸気噴火は比較的どこでも起きうると考えていいと思います」

マグマ噴火とは

御嶽山とは別のタイプの噴火が2021年9月19日、スペイン領カナリア諸島の火山で起きました。
ニュースで溶岩が流れ出る様子を見た方も、多いと思います。
山岡さん
「『マグマ噴火』です。マグマは、岩石が溶けてドロドロして熱いものですが、マグマそのものが地表に噴出するものです。1986年に伊豆大島で、その前の1983年に三宅島で噴火したんですが、それと同じタイプの噴火です」

マグマ水蒸気噴火とは

そして、3つめのタイプが、2013年11月に小笠原諸島の西之島付近で起きたような「マグマ水蒸気噴火」です。
山岡さん
「マグマ水蒸気噴火は、マグマが地表に近づいて、地下水の層とか、海の底に現れたときに、水を急激に沸騰させて、爆発的に噴火させるものです」
ということは御嶽山も、水蒸気噴火ではなく、マグマ水蒸気噴火の可能性があったということですか?マグマはあるわけですよね?
山岡さん
「マグマはあります。基本的に火山は、マグマが固まってできています。水があればマグマ水蒸気噴火をすることもあるし、御嶽山の地形を見ると溶岩が流れた跡もあるので、過去にマグマ噴火があったことは間違いないです」
今の御嶽山の状況は、どうなんでしょうか?
山岡さん
「基本的には、非常に静かな状況です。2014年以降、噴気、要するに水蒸気はずっと出していますが、量は確実に減っています。例えばシェルターを造るとか、地元の努力があって、安全策をとりつつ山を開放する、という対策をとっています」

火山と向き合う 火山を知る

日本にある活火山は、111。
このうち50については、噴火の前兆を捉えようと、24時間の観測が行われています。

火山は、雄大な姿で、生命豊かな姿で、私たちを引きつけます。
一方で、そこには危険があることも心にとめておいてほしいと山岡さんは話します。
山岡さん
「テーマパークみたいに管理されたところではなく、大自然を相手にしているわけだから、いろいろと不確定な要素も多々あるだろうと思うわけです。リスクも自分で事前に想定して、それで準備をして山に登る、ということが大事だと思います」
山岡さんは、山に登る際は常にリスクがあることを十分認識したうえで、少しでも身を守れるような備えをしてほしいとも話していました。
登山では頭と首と背中を守るのが基本なので、まずヘルメットをかぶる、そして大きめのリュックサックを背負って、万が一の時に首と背中を守れるようにしてほしい、ということです。
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