菅首相「次期総理も最優先で新型コロナ対策を」衆参議運委で

19都道府県の緊急事態宣言と8県のまん延防止等重点措置が、30日の期限をもってすべて解除されるのを前に、菅総理大臣は、衆参両院の議院運営委員会に出席し、ワクチン接種などに政府を挙げて取り組んできたとしたうえで、次の総理大臣にも最優先で新型コロナ対策に取り組んでほしいという考えを示しました。

▽自民党の山下雄平氏は「コロナ対応と、それに伴う経済対策において、この1年、何が最も困難で、それをどう乗り越えてきたのか」と質問しました。

これに対し菅総理大臣は「いちばん判断として苦しかったのは、緊急事態宣言を発出する時で、飲食の皆さんに大変なご迷惑をおかけした。次の総理大臣も、コロナ対策を最優先に国民にかつての生活を取り戻すことができるよう体制を整えていただければと思う」と述べました。

▽立憲民主党の黒岩宇洋氏は「菅総理大臣は『できうるかぎりのコロナ対策をすべて打った』と言い切れるのか」とただしました。

これに対し菅総理大臣は「1年間、新型コロナ対策に明け暮れていた。ワクチンが間違いなく効果があるということで、的を絞って取り組んできた。高齢者の接種を優先的に進めたことで、世界でも致死率は低い水準になっている。結果は国民が判断するだろうが、政府を挙げて取り組んできている」と述べました。

▽公明党の高橋光男氏は「国産ワクチンや治療薬を早く実用化させ、途上国に提供することを、ぜひ次の総理大臣にも引き継いでほしい」と求めました。

これに対し菅総理大臣は「『ワクチンサミット』を主催しワクチンの途上国などへの供与、開発や生産強化などによる国際貢献への決意を表明した。次の政権についても、わが国が新型コロナとの闘いにおける国際協調をけん引していくべきだと思うので申し伝えたい」と述べました。

▽共産党の塩川鉄也氏は「臨時国会の召集要求を2か月以上も放置した。そこに、菅総理大臣自身がコロナ対策を軽視してきたことがあらわれている」とただしました。

これに対し菅総理大臣は「憲法53条後段には、召集時期は何ら触れられていない。召集については、国会のことであり、これまでも与党と相談しながら対応を検討した。来月4日に臨時国会を召集する旨を閣議決定したところで、憲法に規定された義務を踏まえたものだ」と述べました。

▽日本維新の会の遠藤国会対策委員長は「未知のウイルスとの闘いで、日本の規制が足かせになってきたのではないか。今までの経験値の中で、どう考えているのか」と質問しました。

これに対し菅総理大臣は「医療に関するさまざまな制約について、安全性を担保しながらも不断の検討が必要だ。省庁間の縦割りや国と自治体の関係を平時の時に考える必要がある。次の内閣に状況を説明し、しっかりと国民の期待に応えられるような対応が必要だ」と述べました。

▽国民民主党の浜口誠氏は「重症化を防いでいくためには、飲み薬タイプの治療薬をいかに早く提供していくかが重要な視点だ。どのタイミングで提供できるようになるのか」とただしました。

これに対し菅総理大臣は「飲み薬タイプの薬が開発されれば、さらに幅広い方々に対して、手軽に重症化を防止できるようになる。国内で開発できるように、研究開発や医療機関の治験などを予算措置により積極的に支援している」と述べました。