緊急事態宣言 まん延防止措置 全解除でどうなる?

新型コロナウイルス対策で、政府は19都道府県の緊急事態宣言と8県のまん延防止等重点措置について、9月30日の期限をもってすべて解除することを決めました。
宣言と重点措置がどの地域にも出されていない状況はおよそ半年ぶりになります。

解除によってこれから何が変わるのでしょうか?

自治体の認証受けた飲食店は営業午後9時まで

政府の基本的対処方針の変更案では、日常生活の制限については、段階的な緩和を促すよう求めています。
飲食店に対する営業時間の短縮要請については、酒の提供を認めたうえで今後1か月をめどに、自治体などから感染対策の認証を受けた店舗は午後9時まで、それ以外の店舗は午後8時までを基本とし、地域の感染状況に応じて知事が適切に判断することとしています。

カラオケを提供する飲食店については、今後1か月をめどに設備の利用自粛を要請し、地域の感染状況や店の感染防止策を踏まえ、知事の判断で緩和を検討するなどとしています。

イベントは収容人数に上限 定員は50%以内に

また、イベントの開催について、今後1か月をめどに収容人数の上限を5000人、または定員の50%以内に制限するとしています。

ただし、大規模施設については上限を1万人としています。

一方、学校現場の対応をめぐっては、高校や大学の入試などは、実施者が感染防止策や受験機会の確保に万全を期したうえで、予定どおり実施するとしています。
外出は、混雑している場所や時間を避け少人数で行動することや、テレワークの推進など柔軟な働き方を求めています。

また、帰省や旅行、出張など、県をまたぐ移動については、ワクチン接種が完了していないなどリスクの高い人に対して検査を勧奨するとしています。

そして、行動制限の見直しをめぐっては、ワクチンの接種証明書や検査の陰性証明を用いて感染対策の効果を実証するとともに、国民的議論を通して具体化を進めるとしています。

東京都 認証受けた店に限って午後8時まで酒の提供可能

自治体の対応です。

東京都は、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、緊急事態宣言が解除された後の10月1日から24日までを「リバウンド防止措置期間」とし、対策を取ることを決めました。

このうち飲食店は、感染防止対策を徹底しているとして都から認証を受けた店に限って午後8時まで酒の提供を可能とし、営業時間は午後9時までとするよう求めます。

利用は1グループ4人までです。
4回目の緊急事態宣言がはじまったことし7月12日以降、都は
▽酒を提供する店には休業を
▽提供しない店には午後8時までの営業時間の短縮を要請していますが、およそ2か月半ぶりに緩和することになります。

一方、認証を受けていない飲食店には、酒の提供の自粛と午後8時までの時短営業を求めます。
都は、対策を取った店への協力金として、
▽中小企業には一日当たり2万5000円から20万円
▽大企業には売り上げの減少分に応じて、最大20万円を支給します。

また、デパートなどの「集客施設」や映画館や劇場といった「イベント関連施設」などには、営業を午後9時までとするよう協力を依頼します。

このほか、イベントについては、引き続き収容人数の制限を求めますが、大声の歓声や声援があるかないかで人数や収容率が変わります。

このうち、歓声や声援があるものは、
▽収容定員が2万人以下の場合は定員の50%
▽2万人を超える場合は上限が1万人です。

さらに、
▽外出は少人数で、混雑している場所や時間を避け、
▽帰省や旅行、出張など都と県の境を越える移動に際しては、基本的な感染防止対策を徹底することを求めます。

都立の学校 対面での授業を基本に

都立学校は現在、分散登校や時差通学などを行っていますが、宣言が解除されたあと、10月1日からおよそ3週間の「リバウンド防止措置」の期間中は、対面での授業を基本とします。

ただ、都の教育委員会は、その学校の感染状況によっては、オンライン学習で対応するとしています。

また、部活動は休憩中などを含め感染防止対策を徹底したうえで実施するということです。

一方、修学旅行など集団での宿泊を伴う活動は「リバウンド防止措置」の期間中は延期します。

修学旅行は期間の終了後に実施できるよう、各学校で必要な感染防止対策を検討するなど準備を進めるということです。

千葉県 独自基準満たした「認証店」は制限をすべて解除の方針

千葉県の熊谷知事は28日夜、記者団に対し、これまで酒を提供する飲食店に対して行ってきた要請を緩和する具体的な案を説明しました。

それによりますと、国が示した基本的な感染対策をとっているおよそ1万7千の店を「確認店」と位置づけ、酒類の提供を午後8時まで可能とし、営業時間は午後9時までに緩和します。

一方、県が独自に作成した厳しい感染防止の基準を満たした40の「認証店」については、これまで行ってきた酒類の提供や営業時間の制限をすべて解除する方針です。

利用はいずれの店も1グループ4人までとします。
「確認店」や休業を続ける店には協力金を支給する一方、「認証店」には支給されません。

対策の期間は10月1日から24日までのおよそ3週間です。

熊谷知事は「一律の要請ではなく、取り組みの状況で差をつけていくことは、県民に納得されると思う。リバウンドのきざしが見えればさらなる緩和が遠のくので継続した対策をお願いしたい」と呼びかけました。

この方針については29日開かれる会議で正式に決定される予定です。

愛知県 独自に「厳重警戒宣言」で感染防止対策

緊急事態宣言の解除後も、独自に警戒宣言を出す自治体があります。

愛知県は10月1日から17日までの17日間、県独自の「厳重警戒宣言」を出して、感染防止対策を講じる方針です。

このうち、県内全域の飲食店に対しては、現在、▽営業時間を午後8時までに短縮することや▽酒の提供を取りやめることを要請しています。

これを10月1日からは、感染対策を十分に行っているとして県から「ニューあいちスタンダード」の認証を受けている店については、営業終了を求める時間を午後9時とし、午後8時までは酒の提供を認めます。

また、認証を受けていない店には、午後8時での営業時間短縮を要請するものの、午後7時半までは酒の提供を認めます。

いずれの場合も、会食は同居の家族かいつも近くにいる人と4人以内で行うことや、食事中以外はマスクを着用することなどを引き続き求めます。

また、現在、面積が1000平方メートルを超える百貨店やショッピングセンター、それにパチンコ店などの大規模な集客施設に対して、営業時間を午後8時までに短縮するよう「協力要請」を行っていますが、これらの施設には、来月1日から、営業時間を午後9時までに短縮するよう働きかけることにしています。

テレワーク推進やイベント人数の上限については

愛知県は企業に対しても現在は、休暇の取得やテレワークの活用を進めて出勤者数の7割削減を目指すことと、事業の継続に必要な場合を除いて午後8時以降の勤務を抑制するよう求めていますが、来月1日からは、具体的な削減目標は設けず、引き続き、事業の継続に必要な場合を除いて午後9時以降の勤務を抑制するよう求めます。

スポーツなどのイベントの人数については、現在5000人としている上限を1万人に引き上げます。

外出自粛の呼びかけも変更

このほか県民に対しては現在、日中を含めた外出の自粛を要請し、特に午後8時以降の外出と、混雑した場所への外出について強く自粛を要請しています。

これについても、混雑している場所や時間を避けて少人数で行動するとともに、午後9時以降は不要不急の外出を控えるよう呼びかける内容に変更します。

また、県をまたぐ不要不急の移動について、今後は自粛は求めませんが、基本的な感染防止対策を徹底するとともにワクチンの接種が終わっていない人などはPCR検査を受けることなどを呼びかけます。